2020年8月21日(金)に毎年恒例のサマージャンボ宝くじの抽選により、当選番号が発表されますね。1等は5億円ですので、今から楽しみに感じている方も多いでしょう。
ところで、読者の方で宝くじの税金を支払ったことがあるという方は、ほとんどいないのではないでしょうか。そもそも筆者が思うに、宝くじ当選者は当選金額1,000円以下の方が多いように感じます。
本記事では、宝くじが当選したときの税金をテーマに解説しています。宝くじが高額当選したときの税金の支払い義務は生じるのでしょうか。また、税金のなかでも贈与税や所得税の扱いについても知っておく必要があります。
ぜひ、最後までご覧ください。
Contents
【完全版】宝くじが高額当選したときの税金はいくら?贈与税や所得税の支払い義務など解説!
宝くじが高額当選した場合、税金はいくら支払えばよいのでしょうか。結論から申し上げますと、税金のなかでも、支払わなければならない税金と支払わなくてもよい税金とがあります。しかし、基本的には、税金は支払わなくてもよいです。
何だか、よく意味が分からないですよね。まずは、税金の種類から解説していきます。
宝くじが高額当選したときに納めるべき税金の種類は?
宝くじが高額当選して、基本的に納める義務が生じる可能性のある税金の種類は、次の2つです。
・贈与税
・相続税
一方で、納める義務のない税金もありますが、そもそも税金の種類や特徴が分からないですよね。贈与税は、他人に金銭を贈与する場合に課税される税金です。110万円以下は非課税扱いですが、その金額を超えて贈与してしまうと、贈与税として課税されてしまいます。
また、相続税は、亡くなった方の資産(遺産)を相続した場合にかかる税金です。一般的には、
3,000万円+(法定相続人の人数×600万円)
以上の金額を相続した場合に課税されてしまいます。
贈与税や所得税の支払い義務は?
贈与税と所得税の特徴については、前述した内容で理解できましたよね。ここでは、宝くじが高額当選した場合の贈与税と所得税の支払い義務の有無について解説していきます。
贈与税
さて、宝くじが高額当選して支払い義務が生じる可能性のある贈与税ですが、どのようなケースで支払うのでしょうか。それは、宝くじが高額当選して、他人に分配するケースです。宝くじを購入するときに共同購入するケースもみられると思います。
例えば、5億円が当選するサマージャンボ宝くじを5人で共同購入して、見事、1等5億円に当選したとします。共同購入しているので、当選した5億円を5人で1億円ずつ分配すると思います。この分配するという行為に贈与税がかかってしまうのです。
相続税
そして、もう1つ課税される可能性のある税金があります。相続税ですが、宝くじが高額当選しても生前に使い切らなければそのお金は相続されます。この相続するという行為に税金がかかってしまうのです。
共同購入で贈与税の支払いを回避する方法があるって本当?
共同購入で宝くじを購入して高額当選した場合、分配時に贈与税がかかってしまうことは前述しました。しかし、共同購入でも贈与税がかからない方法があることをご存じでしょうか。
ここで覚えておくべき用語として、銀行が発行する当選証明書という書類があります。当選証明書とは、宝くじが当選した場合に、その当選した金額について銀行が証明してくれる書類です。突然、大金が口座に振り込まれていたら、税務署から追及される可能性があるため、当選証明書は取得しておきましょう。
さて、この当選証明書が贈与税と何が関係するのかということですが、例えば、共同購入して当選金を分配する場合、全員で一緒に銀行へ出向き、それぞれの口座に分配して入金してもらえるように銀行側に伝えておきます。この際、当選証明書をそれぞれに発行してもらいましょう。
この当選証明書がなければ、贈与税が課税されてしまう危険性があります。つまり、共同購入で贈与税がかからないようにする手順は、次の3つです。
1、高額当選したら、共同購入したメンバー全員で銀行へ行く。
2、銀行側へ当選金を分配する旨伝え、それぞれの口座に入金してもらう。
3、それぞれに当選証明書を発行してもらう。
上記3つの手順のうち、どれが欠けてもダメです。ちなみに、共同購入したメンバー全員で銀行に行く理由ですが、銀行でそれぞれに署名と捺印をしなければならないからです。
せっかく当選したのに、税金で持っていかれるのはもったいないですからね。
当選金で引かれる税金を最小限に抑えるためのコツは?
宝くじの高額当選で引かれる税金は、贈与税のみということは理解できましたよね。そもそも、贈与税が課税されないようにするための方法も前述した内容を見れば分かることでしょう。ここでは、どうしても贈与税を支払わなければならない場合に、支払額を最小限に抑えるコツを紹介します。
宝くじに高額当選して、銀行を介さず直接相手に当選金の一部を贈与してしまった場合です。贈与税額は、次の公式で求められます。
(贈与額-基礎控除額110万円)×税率-控除額=贈与税額
ポイントは、基礎控除額の110万円です。贈与額が110万円よりも大きい場合に課税されますが、これは金額が増えるほど支払う税も増えていきます。つまり、贈与額が大きくなるほど、支払う贈与税額も増えていくという仕組みです。
このことから、贈与税を支払う方で、宝くじの当選金を1円でも多く受け取るためには、いかに110万円に近い金額を贈与するかで課税される金額が異なるということです。
確定申告の必要性は?
宝くじの当選金は、当せん金付証票法によって非課税所得と定められています。そのため、確定申告の必要はありません。
ちなみに、当せん金付証票法とは、宝くじの販売などの運営・管理を規制するための法律で、宝くじに関する物事はすべてこの法律に則って執り行われています。
宝くじの高額当選者と税務署の関わり方とは?
宝くじの高額当選者は、税務署から目を付けられるのは本当です。誤解がないようにするために補足しますが、具体的には高額当選のデータが税務署に残るという意味です。
まず、宝くじで高額当選したら大金が動くことになりますよね。金融機関がその情報を税務署に申告するのです。そして、大金が口座に振り込まれたにも関わらず、実際の口座の入金額が少なかったら・・・。
当然、税務署は調査に乗り込むのです。これは、嘘のような本当の話です。つまり、宝くじに高額当選するということは、税務署とも生涯付き合っていかなければならないということです。
購入方法によって異なる当選金の受け取り方法とは?
宝くじ売り場は全国にありますが、宝くじ券の購入方法によって、当選金の受け取り方が異なることをご存じでしょうか。簡単ですが、下記にまとめます。
・宝くじ売り場で購入した場合:みずほ銀行で当選金を受け取る
・宝くじ公式サイトで購入した場合:登録した口座へ直接振り込まれる
このように、宝くじは購入方法によって当選金の受け取り方が異なります。実は、この購入時に税金がかかっていることを知っている方は少ないのではないでしょうか。
まずは、購入時に引かれる宝くじの税金についてみていきましょう。
購入時に引かれる宝くじの税金の仕組みとは?
宝くじは、購入時に税金が引かれています。内訳は下図のとおりですが、約4割が税金として引かれていますよね。
このように、宝くじの購入時にすでに税金が引かれているため、当選金自体には税金がかからないという仕組みになっています。
宝くじ購入にかかる消費税の仕組みとは?
もう1つ、宝くじを購入したときにかかる税金があります。皆さんもよくご存じの消費税です。物品を購入する際にはかかるものですので、宝くじも例外ではないということです。
宝くじの税金の仕組み!海外と日本の違いは?
宝くじは日本と海外とでは、その仕組みが全く異なります。海外とするとテーマが幅広くなってしまうので、ここではアメリカを例に紹介していきます。
まず、アメリカの宝くじには、次のような種類があります。
・メガミリオンズ(最高当選額:530億円)
・パワーボール(最高当選金:609億円)
これだけみても、日本と海外では宝くじの規模が違うことが分かりますよね。これは、日本と海外では宝くじに関する法律で定められている内容が異なるためです。深堀りすると長くなってしまうので、ここまでにしておきます。
ただ、これだけはいえます。日本は法律で宝くじの当選金額に上限が設けられていますが、アメリカでは上限がないためキャリーオーバーすると果てしなく大きな金額になることがあります。
まとめ
宝くじの高額当選には夢がありますね。しかし、高額当選者には、税金の悩みもつきものです。正しい方法を知っていれば節税や支払いの回避ができますが、何も知らなければ税金の支払いは避けては通れません。
最後に、本記事の内容をまとめます。
・宝くじの高額当選時に支払う可能性のある税金の種類は、贈与税と相続税
・当選証明書で贈与税の支払いを回避できる
・宝くじに当選しても、確定申告はしなくてもよい
・高額当選すると一生税務署と付き合わなければならない
・宝くじの購入時にも税金がかかっている
・海外の宝くじは、日本と比べて規模の大きさが違う
今回は、宝くじの高額当選にかかる税金をテーマに解説してきました。せっかく当選したのに損をしないためにも、本記事の内容を参考にしてください。