競馬

配当が安くても複勝で儲ける方法を徹底解説

競馬では回収率の高さが儲けにつながることが挙げられますが、大穴を的中させることや高額の購入資金があってこその話であり、基本的にそこまでの元手が十分にない場合が多いものです。

馬券につぎ込めるだけの資金が多くない場合、少額で大穴に賭けるよりも、的中率の高い複勝馬券に絞ってコツコツと資金を貯めていく方が賢いともいえます。

そこで複勝馬券で儲ける方法をここで解説していきます。

複勝馬券とは

3着までに入る馬を当てる馬券

  • ・出走する馬が5頭以上の場合に発売します。
  • ・出走する馬が7頭以下の場合は、2着までが的中となります。
  • ・馬番号で指定します。

引用元:馬券の種類:はじめての方へ JRA

馬券で儲けるのは難しいものです。
ほとんどの競馬ファンが外れ馬券に悔しい思いをしてきたことでしょう。

とはいえ、儲けるためには回収率を上げないといけないので、大穴を狙ってもほとんどかすりもしないことが多々あります。

では的中させやすい複勝馬券ではどうでしょうか。

配当が低くなりますが、それでも複勝馬券で儲けることは可能です。

複勝馬券とは1~3着までに入る馬番を予想するので、比較的に的中しやすい券種といえます。
8頭立て以上は3着までとなり、7頭立て以下では2着までが対象となります。

一般的にフルゲートとなりやすい16頭立てでは3/16となり、約19%の的中率となっています。

一方競馬の醍醐味といえば単勝馬券を的中することです。

1着を狙うというのは一番分かりやすく、とてもシンプルな馬券です。

しかし、8頭立てならまだしも16頭立てのようなフルゲートの場合は1頭に絞りづらいものです。

その的中率は1/16で的中率はわずか6%程度となっており、複勝と比べても低い水準となっています。

オッズの幅は人気によって変動する

複勝のオッズを見てみると、1.3~2.1のように幅が見られます。

これはおおよそのオッズであり、どの馬が3着までに入るのかレース結果が出るまで分からないのでこのように幅を持たしています。

基本的に人気馬で決まるとオッズが低くなるように設定されており、逆に穴人気の馬が上位を取るようだとオッズの幅が高いほうに出ます。

上記のオッズだと人気馬の決着になると1.3~1.4となり、人気のない馬がくると1.9~2.0が出やすくなります。

特に単勝1倍台の人気が集中する馬が出走しているレースでは、人気通りに決着するとオッズが低くなりがちです。

2020年の天皇賞秋でG1を8勝した女傑アーモンドアイが勝ったケースを見ていきます。

天皇賞秋 2020/11/1 東京競馬場 11R 12頭立て

着順 馬名 単勝人気 単勝オッズ 複勝オッズ 複勝払戻金
1 アーモンドアイ 1 1.4 1.1~1.1 110円
2 フィエールマン 5 17.4 2.6~9.9 260円
3 クノロジェネシス 2 4.4 1.3~3.6 140円

このレースではアーモンドアイが圧倒的1番人気に支持されているほか、2番人気のクロノジェネシスも4.4倍と単勝人気が売れていました。
12頭立てと少ないこともあって、この2頭のみが単勝オッズで二桁となっており、3番人気は単勝オッズが13.4倍と離れていました。

結果的に複勝も売れている上位人気2頭が入ったので、複勝の払戻金も2着馬が260円、3着馬が140円とオッズの低い配当となっています。

では人気馬と穴馬の組み合わせはどうでしょうか。

今度は天皇賞の1つ前のレースである秋嶺ステークスをみていきましょう。

秋嶺ステークス 11/1 東京競馬場 10R 16頭立て

着順 馬名 単勝人気 単勝オッズ 複勝オッズ 複勝払戻金
1 フィールドセンス 1 3.0 1.4~1.8 170円
2 アスクジョーダン 12 38.9 5.6~9.0 710円
3 セイウンクールガイ 6 21.2 4.0~6.4 510円

このレースでは1番人気が勝利しましたが、オッズは3.0とそこまで支持を集めているとは言い切れません。

また、2着には12番人気の大穴、3着には6番人気の中穴が入ったことにより、1番人気も複勝オッズの高い配当が適用されています。

2着、3着も中間の幅とはいえ、それなりに高配当となっています。

次に3連単が100万馬券になるような大穴決着の場合はどうなるでしょうか。

2020年11月7日に行われた福島3レースのケースを見ていきます。

サラ系3歳以上1勝クラス 11/7 福島競馬場 3R 15頭立て

着順 馬名 単勝人気 単勝オッズ 複勝オッズ 複勝払戻金
1 ロジカルガール 12 56.8 7.6~12.6 1,210円
2 ミツカネラクリス 8 29.1 5.0~8.3 810円
3 ミッキープリンス 10 41.7 7.0~11.6 1,120円

上位3頭がすべて人気のない馬ばかりなので、複勝オッズの高い配当となっているのが分かります。

これらのように、複勝馬券は確定するまでどの幅が適用されるのか分かりません。

複勝馬券を購入している場合、該当馬が穴馬を連れてくればより高配当を狙えることになります。

穴馬にかけるよりも上位人気馬を狙って元手は残しておく

複勝馬券では大穴を狙うよりも3~5番人気の上位人気を狙ったほうがお得です。

人気馬が強いとは限りませんが、好レースを期待できる可能性が高いのは人気馬であることは間違いではありません。

上位人気馬で決着する場合は配当が150円程度になることもありますが、穴人気の馬が来た場合には200円~300円になることも珍しくないでしょう。

複勝では他の券種よりも低いオッズは仕方ないので、その分負けないようにしなくてはなりません。

ではよく聞く複勝ころがしではどうでしょうか。

複勝ころがしでは払戻金をすべて次のレースの複勝馬券の購入資金に置き換えることです。

この場合、1レースから1,000円で購入しても最終レースまで勝ち続ければかなりの高配当を狙えます。

ただ、現実的に難しいといえるので、配当のすべてをころがし馬券にするのではなく、元手よりも多く配当を得た分だけを次のレースに賭けるようにすれば大きな負けはありません(ここでは便宜上「据え置き馬券」とよびます)。

たとえば「ころがし馬券」と「据え置き馬券」で、同じレースで同じ馬の複勝馬券を購入したケースを見ていきます。
下記のケースでは複勝ころがしで1,000円×1点買いとして想定しています。

1レースでは的中したものの、すべてを次のレース購入資金にするので残金は元手に使用した1,000円がマイナスとなっており、元手がなくなるたびに1,000円を追加するように計算しています。

複勝ころがし馬券                                                                                    (単位:円)

レース

払戻金

結果

ころがし馬券

購入資金

配当

手元金額

次レース資金

残金

1

230

的中

1,000

2,300

2,300

2,300

0

2

180

的中

2,300

4,140

4,140

4,100

40

3

250

的中

4,100

10,350

10,390

10,300

90

4

180

外れ

10,300

0

90

△1,000

90

5

200

的中

1,000

2,000

2,090

2,000

90

6

150

外れ

2,000

0

0

△1,000

90

7

260

外れ

1,000

0

0

△1,000

90

8

190

的中

1,000

1,900

1,990

1,990

※最初の購入資金となる1,000円は残金でマイナスにしない

一時期は10,000円にまで元手が増えましたが、途中で資金がなくなったので4R・6R・7Rで3,000円を追加しています。

次に購入資金を据え置きするように考えてみましょう。

外れた場合の次レース資金は1,000円とし、的中した場合はその購入資金を残金として置いておきます。

据え置き馬券                                                                                           (単位:円)

レース

払戻金

結果

ころがし馬券

購入資金

配当

手元金額

次レース資金

残金

1

230

的中

1,000

2,300

2,300

1,300

1,000

2

180

的中

1,300

2,340

3,340

1,000

2,340

3

250

的中

1,000

2,500

4,840

1,500

3,340

4

180

外れ

1,500

0

3,340

1,000

2,340

5

200

的中

1,000

2,000

4,340

1,000

3,340

6

150

外れ

1,000

0

3,340

1,000

2,340

7

260

外れ

1,000

0

2,340

1,000

1,340

8

190

的中

1,000

1,900

3,240

3,240

※最初の購入資金となる1,000円は残金でマイナスにしない

ころがし馬券よりも大きな配当はありませんが、一度もマイナスになることなく、収支は+3,240円でフィニッシュしています。

両者の大きな違いは配当からレース購入資金を用意した金額です。
1レース目の購入資金1,000円を含み、ころがし馬券では4,000円、据え置きではその1,000円のみとなっている点です。

実際の収支でみていきましょう。

                                                                               (単位:円)

残金 用意した購入資金 収支
ころがし馬券 1,990 4,000 △2,010
据え置き馬券 3,240 1,000 2,240

これでみると、ころがし馬券ではマイナス2,010円なのに対し、据え置き馬券ではプラス2,240円となって、合計で4,000円ほどの差が生じていることになりました。

これは資金を1,000円と仮定していますが、3,000円ならば12,000円の差になり、10,000円を購入資金にしたならば、40,000円ほどの収支に差がでていることになります。

ころがし馬券がどれほど危険であるのか分かりますし、据え置き馬券は元手をしっかりと残してコツコツ儲かるので、無難に資金を貯められることが分かります。

複勝は8頭立ての的中率が高いが、人気馬が飛べば7頭以下でも高配当も望める

据え置き馬券が複勝で稼げることが分かりましたが、レース選択はどうすればいいのでしょうか。

複勝馬券は狙いたい馬が1~3着に入れば的中するので、的中率を上げたい場合は頭数を絞ったレースに投票するのが理想です。

複勝が成立するのは5頭以上なのでどれくらい的中率が違うのかみていきましょう。

出走頭数 5頭 7頭 8頭 16頭
対象着順 2着以内 2着以内 3着以内 3着以内
的中率 40% 28.5% 37.5% 19%

5頭立ては2着以内が40%の的中率になりますが、その分ほとんど配当は期待できません。
ここでみてほしいのが7頭立てと8頭立てのケースです。

わずか1頭の差だというのに、的中率は9%も変わります。

1頭でも多くなればその分だけ穴馬がくるケースも想定できますので、7頭立てと8頭立てでは後者のほうがお得感があることがいえるでしょう。

もちろん例外もあります。8頭立ての場合、人気馬で決着しそうなケースでは購入するのを避けたほうが無難です。
天皇賞秋と同日に行われた京都8レースをみてみます。

サラ系3歳以上2勝クラス 11/1 京都競馬場 8R 8頭立て

着順 馬名 単勝人気 単勝オッズ 複勝オッズ 複勝払戻金
1 シルヴェリオ 1 1.8 1.1~1.1 110円
2 イルマタル 3 5.4 1.1~2.2 110円
3 パトリック 2 3.4 1.1~2.1 110円

このレースでは上位人気が飛び抜けており、すべての払戻金で110円と低配当になっています。

複勝で高配当を望みたいという人もいるでしょうが、稀なケースも確かに存在しています。

あまりにも圧倒的な人気を誇る馬が出る小頭数のレースでは、7頭立て以下のレースでも思わぬ高配当が見込めます。

障害レースの最強王者オジュウチョウサンが出走した2020年11月14日の京都ジャンプSを例にみていきます。

京都ジャンプS 11/14 阪神競馬場 8R 6頭立て

着順 馬名 単勝人気 単勝オッズ 複勝オッズ 複勝払戻金
1 タガノエスプレッソ 2 6.9 1.1~6.0 590円
2 ブライトクォーツ 4 42.4 2.9~18.2 1,700円
3 オジュウチョウサン 1 1.1 1.0~1.0 なし

オジュウチョウサンは複勝が元返しになるほどの超人気馬で、このレースまでに障害レースで13連勝を飾っていました。

だれもが圧勝を支持していたのでしょうが、まさかの3着。

6頭立てでは3着が馬券対象にならないので、1着馬と2着馬はともに高い配当を実現しました。

もしこのレースが8頭立てで3着までが複勝馬券の払戻対象だったら、オジュウチョウサンの人気がある影響で、1着・2着馬ともに複勝の払戻金は下がったことでしょう。

複勝で大きく儲けるなら8頭立ての人気が割れるケースを狙う

上記のように単勝オッズが1倍台の前半になるような人気馬がいる小頭数のレースでは、万が一にも3着以下に敗れるようでは複勝でも高配当が望めます。

ただし、なかなかレアなケースであり、オッズが低くてあまりに強い人気馬の場合は小頭数ほど順当に決まってしまうものです。

しかしながら、8頭立てでも人気が割れやすいこともあります。

このようなレースはあまりないので、オッズを確認したらコツコツ儲けるよりも、購入資金を多く用意して複勝馬券を買いたいものです。

実際の例をみていきましょう。2020年10月25日の東京競馬場で行われた9レースのtvk賞をみてみます。

tvk賞 10/25 東京競馬場 9R 8頭立て

着順 馬名 単勝人気 単勝オッズ 複勝オッズ 複勝払戻金
1 モンブランテソーロ 2 3.4 1.3~1.6 160円
2 ブルーエクセレンス 8 27.6 5.5~7.9 640円
3 レオンドーロ 5 8.3 2.0~3.0 250円

このレースは1番人気が単勝3.2倍と人気が割れており、混戦ムードといえました。

結果として最低人気の馬が2着に入ることで波乱を演出し、複勝オッズも高い配当を実現しています。人気が割れるようなケースでは、まぎれも多いので穴馬券が出やすいものです。

このレースのように、人気馬に信頼がおけない場合は2着・3着馬のような馬を狙って馬券購入資金を多くするのも複勝で儲ける方法といえるでしょう。

まとめ

複勝馬券は1~3着までを当てる馬券(7頭以下は2着まで)で的中率も高くなっています。
他の馬券に比べてオッズが低いので、複勝で儲けるにはコツコツと長期的に稼ぐか、購入金額を多く用意する必要があります。

複勝でのころがし馬券は負けると一気に元手がなくなるので結果的にマイナスになることも多く、元手を失わないように据え置き馬券で狙うのも儲ける方法です。

また、超人気馬が敗れるレースでは7頭以下でも高配当を望めますし、8頭立てのレースなら的中率が37.5%と高くなります。

人気馬の信頼が低いようなレースなら8頭立てでも高配当を狙えるので、購入資金に余裕がる場合は複勝で儲ける方法のチャンスといえるでしょう。