競馬

競馬の三冠とは? 三冠馬の意味と三冠馬になる条件を解説!

2020年のクラシック路線は、史上初の出来事が多数起こりました。

まず、牝馬のデアリングタクトが、史上初となる、無敗の三冠牝馬に輝いたのです。

そして、デアリングタクトが無敗の三冠牝馬に輝いた翌週に開催された菊花賞で牡馬のコントレイルが菊花賞を制しディープインパクト以来となる無敗の三冠馬になり、また、史上初の親子無敗の三冠馬。

この二頭の活躍により、競馬界では【三冠】という言葉が頻発しました。しかし、三冠の意味をあまり知らないという方も多いのではないでしょうか?

ここでは、【三冠】という言葉が、どのような意味を持つのか紹介していきます。

三冠とは?

クラシックレースを3つ勝った馬が三冠となり、三冠馬と呼ばれます。

例えば、コントレイルは皐月賞・ダービー・菊花賞を制したので三冠馬の称号を獲得しました。

クラシックレースについて

そもそも、クラシックレースと呼ばれるレースは

  • 皐月賞
  • 桜花賞
  • ダービー
  • オークス
  • 菊花賞

の5つのレースを指します。

クラシックレースは元々、競馬発祥の国であるイギリスで設立された伝統と格式のあるレースで、イギリス競馬をモチーフにされた日本競馬界においても、クラシックレースに該当するレースが設立。

日本のクラシックレースは、古くから存在する格式のあるレースとして、G1レースの中でも特に格の高いレースとして扱われています。

ここで疑問に思った方もいるかもしれません。

秋の3歳牝馬の最終戦ともいえる秋華賞はクラシックレースではないのかという疑問です。

秋華賞は3歳牝馬の最終戦という位置づけですが、1996年に設立されたレースで、他の5大クラシックレースと比較しても、歴史の浅いため、秋華賞はクラシックレースに該当しないのです。

三冠牝馬という言葉が誕生した理由

しかしながら、ほとんどの3歳牡馬が皐月賞→ダービー→菊花賞を目指すように、ほとんどの3歳牝馬も桜花賞→オークス→秋華賞を目指します。

開催時期も近いうえ、馬券の売り上げの効果も大きく、牝馬のG1を3つも勝つことは生半可ではないことから、【三冠馬】とほぼ同じ意味を持つ【三冠牝馬】という言葉が誕生したのです。

また、三冠馬の定義に公式の定めはないので、デアリングタクトやアーモンドアイを三冠馬としてとらえるメディアも存在します。

三冠以外にはないの?

存在します。

例えば、皐月賞・ダービー・菊花賞のいずれか2つのレースを制した馬は二冠馬と呼ばれます。

皐月賞と菊花賞を制したゴールドシップや、皐月賞とダービーを制したドゥラメンテは二冠馬です。

それ以外にも、古馬の格式のあるG1を制した馬は、五冠馬や七冠馬と呼ばれることもあります。

古馬の格式のあるG1とは?

2020年11月時点で、

  • 天皇賞(春)
  • 宝塚記念
  • 天皇賞(秋)
  • ジャパンカップ
  • 有馬記念

の5つのレースが該当します。

歴代最高は七冠馬

日本競馬において、もっとも冠数を保持している馬は七冠馬です。

七冠馬の称号を持つ馬は、シンボリルドルフとディープインパクトしかいません。

シンボリルドルフは、クラシック三冠に加えて、有馬記念(連覇)・天皇賞(春)・ジャパンカップを制しました。

ディープインパクトはクラシック三冠+天皇賞(春)・宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念を制しています。

もし、シンボリルドルフが3歳のジャパンカップで勝利を手にしていたら、もし、ディープインパクトが3歳の有馬記念でハーツクライに勝っていたら、八冠馬と呼ばれていたかもしれません。

〇冠馬と呼ばれるための条件

実は、クラシックレースと古馬の格式のあるレースを勝てば〇冠馬と呼ばれるわけではありません。

厳密には3つのクラシックレース+古馬の格式のあるレースを制した馬のみ、〇冠馬と呼ばれるのです。

七冠馬になれなかった馬

・キタサンブラック

引用元:キタサンブラック「来年も現役」の可能性はどれほど? ファンが望む「未踏の三連覇」の期待

G1を7つ手にし、国内の獲得賞金額トップに立った馬ですが、クラシック競走は菊花賞しか手にしていないので七冠馬とは呼ばれません。

・テイエムオペラオー

引用元:覇王への道(テイエムオペラオー)

1年で古馬の中距離G1を全て制し、中央競馬史上ただ一頭、グランドスラムを成し遂げた名馬ですが、クラシックタイトルは皐月賞のみのため、七冠馬には当てはまりません。

・アーモンドアイ

引用元:アーモンドアイ – 競走馬データTOP|次走11月29日ジャパンカップ G1出走予定

2020年11月の天皇賞(秋)を制したことで、史上初の芝G1タイトル8つ制覇を成し遂げましたが、秋華賞がクラシックレースに該当しないので、一般的には〇冠馬とは呼ばれません。

また、獲得したG1のうちの2つは、ドバイターフとヴィクトリアマイルなので、仮に秋華賞を含めて三冠馬と評したとしても、2020年11月時点では、六冠馬ということになります。

まとめ 三冠を達成するのは並大抵なことではない

三冠馬の称号は、3つのクラシックを制さなければならず、生半可なことではないですね。

逆に言うと、三冠馬と呼ばれる馬や、五冠馬、七冠馬と呼ばれる馬は、成績をみるまでもなく、素晴らしい活躍をしていたことが分かります。

今年は、コロナ情勢下の元、無観客開催となり、競馬の盛り上がりも下火を見せていましたが、牡馬のコントレイルが三冠馬に、牝馬のデアリングタクトが三冠牝馬となったことで、かつての盛り上がりを取り戻しつつあります。

そして、コントレイルとデアリングタクトは三冠を手にした後に、ジャパンカップを選択したことで、無敗の三冠ホースが激突することとなりました。

11月12日に三冠牝馬のアーモンドアイも参戦を表明したことで、競馬の盛り上がりは最高潮を迎えようとしています。

三冠馬、三冠牝馬たちの激突を通して、競馬をもっと盛り上げていきたいですね!