中央競馬は基本的に週末開催ですが、全国の地方競馬は平日も開催されています。
ネットで馬券を購入できるように登録すれば、毎日競馬を楽しめることが可能です。
しかし、中央競馬と違って情報量が少ないのが地方競馬であり、出走頭数が少なくて大穴も出づらく、本命決着が多い印象を受けます。
地方競馬の平均配当が把握できれば、今後の馬券検証につなげてみるのも面白いといえるでしょう。
ここでは主要となる全国の地方競馬(大井・川崎・門別・名古屋・高知)の平均配当をみていきます。
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比較するなら単勝と馬連、3連単がベスト
中央競馬や地方競馬での券種に枠単以外で違いはありませんが、オッズから推測されて馬券の基本となる単勝は地方競馬でも基本の馬券といえます。
また、馬連も人気が高い券種として存在し、的中率の低い3連単も人気が高くなっています。
そこで、この「単勝」「馬連」「3連単」の馬券を各地方競馬や中央競馬の連続3日間開催で比較して平均配当をみていけばどういう結果になるでしょうか。
本当に大穴が出にくいのが地方競馬なのか、中央競馬のほうが本命馬券が出づらいのか、これらの傾向が分かれば、自分が得意とする馬券スタイルで勝負できるというものです。
地方競馬は中央競馬よりも出走頭数が少ないこともあり、馬券的にはどうしてもオッズが低くなってしまうケースが目立ちます。
しかしながら、あくまでもそのようなイメージでしか捉えていないこともあるので、実際のレース結果からみていきましょう。
以下では2020年11月中に開催された「門別」「大井」「川崎」「名古屋」「高知」で無造作に選出した連続3日間開催の払戻金を元に平均を算出しています。
門別競馬の平均配当
門別競馬は冬季期間を除き、原則として火曜から木曜までの3日間開催が続きます。
メーンレースが夜間発売になるので、北海道独特ともいえる濃霧があることから出走レースが中止になることもあります。
門別競馬の11月3・4・5日に開催された払戻金をみていきましょう。
門別競馬での平均配当
日付 | 11/3 | 11/4 | 11/5 | |
レース数 | 11 | 12 | 12 | |
払戻金平均(円) | 単勝 | 755 | 829 | 541 |
馬連 | 3,145 | 4,619 | 1,842 | |
3連単 | 61,432 | 82,203 | 30,559 | |
最高払戻金(円) | 単勝 | 3,090 | 5,790 | 1,750 |
馬連 | 17,980 | 32,760 | 7,570 | |
3連単 | 375,940 | 682,380 | 152,280 |
この3日間開催では、11月4日に3連単の68万馬券が飛び出しているので、平均配当も上がっています。
この開催中の門別競馬では単勝の平均が541円~829円とそこそこ高くなっており、馬連でも平均が1,800円以上になっています。
あまり本命馬券が集中していなかったともいえるでしょう。
このような場合、飛び抜けた配当が1つでもあるだけで平均配当が上がってしまいます。
そこで3つの馬券で配当が低いかどうかを判断するのに、配当が単勝1倍台というド本命の場合と馬連が10倍台以下の本命馬券、さらに3連単が万馬券以下になったレースが何回あるかをそれぞれみていきましょう。
門別競馬の低配当回数
配当 | 11/3 | 11/4 | 11/5 | 3日間合計 | 全レースでの割合 |
単勝1倍台 | 4 | 3 | 1 | 8 | 22.3% |
馬連10倍台以下 | 5 | 5 | 8 | 18 | 51.4% |
3連単万馬券以下 | 4 | 9 | 6 | 18 | 51.4% |
この結果を見ると、門別競馬では1倍台のド本命馬券は1日で2回ほどですが、馬連が10倍を下回る本命馬券は51%と半数を超えています。
2回に1回は本命になっていますが3連単で万馬券になっていない配当も同等です。比較的本命馬券と穴馬券が分かれやすいのが特徴といえます。
大井競馬の平均配当
南関東でも最大規模を誇るのが東京シティ競馬です。
基本的に月曜から金曜日までの5日間連続開催で、1月からの冬季期間以外は夜間発売をしています。外回りコースがあり直線も長いので差しも届きやすく、予想が難解になるといえます。
大井競馬で11月3・4・5日に開催されたレース配当をみていきましょう。
大井競馬の平均配当
日付 | 11/3 | 11/4 | 11/5 | |
レース数 | 12 | 12 | 12 | |
払戻金平均 | 単勝 | 519 | 870 | 335 |
馬連 | 3,324 | 3,600 | 1,482 | |
3連単 | 34,153 | 54,558 | 20,298 | |
最高払戻金 | 単勝 | 1,970 | 3,610 | 1,110 |
馬連 | 18,340 | 18,750 | 5,290 | |
3連単 | 180,770 | 227,480 | 139,640 |
大井競馬では11月5日のように、単勝の平均が低くなっており、全体的にも同日に行われた門別競馬よりも配当が安い傾向になります。
力通りに決着していることが挙げられており、単勝の最高払戻金が1,110円というのも意外な結果といえるでしょう。
では低配当の回数がどうなっているのかみていきましょう。
大井競馬の低配当回数
配当 | 11/3 | 11/4 | 11/5 | 3日間合計 | 全レースでの割合 |
単勝1倍台 | 1 | 1 | 4 | 6 | 16.7% |
馬連10倍台以下 | 7 | 5 | 7 | 19 | 52.3% |
3連単万馬券以下 | 8 | 3 | 8 | 19 | 52.3% |
門別競馬よりも単勝1倍台の配当が少なくなっているのに対し、馬連や3連単の低配当が多くなっています。
これは1番人気に限らず、2~4番人気が上位を占めていることを指しています。
大井競馬では1番人気と上位人気の力関係がそれほどないといえるでしょう。
川崎競馬の平均配当
南関東競馬で大井競馬に次いで人気の高いのが川崎競馬です。
年末年始の全日本2歳優駿や川崎記念を筆頭に中央競馬のダート路線で活躍する馬が多数遠征してきます。
左回りですので中央競馬のチャンピオンズCやフェブラリーSのように、ドバイ遠征を睨んだ強豪も出走してくるのが見ものです。
川崎競馬の11月11・12・13日に行われた開催の平均配当をみていきましょう。
川崎競馬の平均配当
日付 | 11/11 | 11/12 | 11/13 | |
レース数 | 12 | 12 | 12 | |
払戻金平均 | 単勝 | 498 | 1,181 | 819 |
馬連 | 1,313 | 2,331 | 3,966 | |
3連単 | 26,307 | 52,384 | 77,423 | |
最高払戻金 | 単勝 | 2,230 | 7,570 | 5,290 |
馬連 | 4,810 | 6,860 | 19,700 | |
3連単 | 182,620 | 341,720 | 475,310 |
ざっと見たところ、大井競馬とそれほど変化がないともいえます。
しかし、12日のように最高払戻金で単勝よりも馬連のほうが配当は低めになっていることから、2着には人気馬が入ったことがうかがえます。
では低配当回数ではどうなっているのかみていきましょう。
川崎競馬の低配当回数
配当 | 11/11 | 11/12 | 11/13 | 3日間合計 | 全レースでの割合 |
単勝1倍台 | 5 | 3 | 3 | 11 | 30.6% |
馬連10倍台以下 | 7 | 6 | 4 | 17 | 47.2% |
3連単万馬券以下 | 7 | 6 | 6 | 19 | 52.8% |
同じ南関東競馬の大井競馬よりも単勝1倍台での決着が多くなっています。
これは小回りが影響しているともいえますが、人気馬がこぞって勝ちやすいともいえるでしょう。
ただし、馬連の10倍以下での配当が50%を下回っており、平均配当が1,000円~3,000円台ということを踏まえると、本命よりも多少中穴傾向が多いともいえます。
名古屋競馬の平均配当
東海地区で人気のある名古屋競馬では県道沿いにあり、名古屋港が近くにあることから訪れやすいスポットとしても有名です。中央競馬で中京競馬が開催されるときには名古屋競馬からも多くの馬が遠征してきます。
小回り平坦の名古屋競馬で11月11・12・13日と川崎競馬と同日に行われたレースの平均配当をみていきましょう。
名古屋競馬の平均配当
日付 | 11/11 | 11/12 | 11/13 | |
レース数 | 12 | 12 | 12 | |
払戻金平均 | 単勝 | 2,406 | 368 | 421 |
馬連 | 7,213 | 1,271 | 771 | |
3連単 | 153,633 | 11,258 | 22,557 | |
最高払戻金 | 単勝 | 18,400 | 1,020 | 1,730 |
馬連 | 33,380 | 4,980 | 1,870 | |
3連単 | 790,410 | 50,910 | 199,620 |
11日で単勝払戻金が18,400円という万馬券になったことを受けて、平均が少し上がっていますが、12日と13日で分かるように単勝平均が低い水準となっています。
馬連も低い配当なっているので、勝負と決めたら人気馬へ集中して投資するのもおすすめといえます。
名古屋競馬での低配当回数
配当 | 11/11 | 11/12 | 11/13 | 3日間合計 | 全レースでの割合 |
単勝1倍台 | 2 | 4 | 5 | 11 | 30.6% |
馬連10倍台以下 | 5 | 7 | 9 | 21 | 58.3% |
3連単万馬券以下 | 5 | 9 | 9 | 23 | 63.9% |
川崎競馬と同じように単勝での1倍台というド本命決着が30%を超えています。
さらに名古屋競馬では馬連10倍以下と3連単の万馬券以下という低配当が大幅に増えており、半数以上のレースで人気決着となっていることがうかがえます。本命に印を打ちやすい人はおすすめといえます。
高知競馬の平均配当
ナイター競馬が定着した高知競馬は中央競馬と同じく週末開催を基本としています。
高知競馬では売上が黒字化して堅調であり、中央競馬で負けたファンがリベンジを果たす機会としてネット購入が人気となっています。
高知競馬の7・8・14日に行われた開催の平均配当をみていきましょう。
日付 | 11/7 | 11/8 | 11/14 | |
レース数 | 12 | 12 | 12 | |
払戻金平均 | 単勝 | 318 | 1,113 | 376 |
馬連 | 843 | 3,170 | 1,245 | |
3連単 | 7,255 | 60,364 | 17,996 | |
最高払戻金 | 単勝 | 780 | 9,930 | 1,360 |
馬連 | 3,960 | 20,810 | 2,860 | |
3連単 | 54,700 | 586,850 | 85,740 |
高知競馬の平均配当は名古屋競馬と似たようなイメージといえます。大きな万馬券が出ることもありますが、基本的に低い配当といえるでしょう。特に単勝では2日に渡り平均払戻金が300円台という低配当となっており、馬連も本命サイドの決着が多くなっていることが分かります。
・高知競馬の低配当回数
配当 | 11/7 | 11/8 | 11/14 | 3日間合計 | 全レースでの割合 |
単勝1倍台 | 5 | 6 | 5 | 16 | 44.4% |
馬連10倍台以下 | 10 | 8 | 6 | 24 | 66.7% |
3連単万馬券以下 | 11 | 9 | 7 | 26 | 72.2% |
高知競馬では3日間36レースで単勝1倍台の決着が16回もあり、44%とこれまでの競馬場で最も割合が大きくなっています。
3連単の万馬券以下の配当が72%とほとんどのレースで万馬券が出ていないことがうかがえます。
週末の中央競馬で負けた後は、高知競馬で本命勝負というのが無難な選択かもしれません。
中央競馬(東京競馬)の平均配当
では中央競馬の場合はどうでしょうか。まぎれが少ないといわれている府中の配当をみていきましょう。ここでは11月7・8・14日の払戻金を抽出しています。
東京競馬の平均配当
日付 | 11/7 | 11/8 | 11/14 | |
レース数 | 12 | 12 | 12 | |
払戻金平均 | 単勝 | 870 | 968 | 1,312 |
馬連 | 9,410 | 4,903 | 3,752 | |
3連単 | 516,228 | 79,438 | 151,217 | |
最高払戻金 | 単勝 | 4,720 | 2,870 | 8,060 |
馬連 | 88,430 | 19,580 | 12,010 | |
3連単 | 5,885,570 | 348,560 | 1,008,070 |
なんと580万馬券が飛び出すなど、さすがはJRAといったところでしょうか。
ただ、11月7日の単勝平均配当は870円ですので、最高配当となった4,720円のレース以外ではほとんどが本命サイドが勝ったことがうかがえます。
3連単の平均配当も軒並み上がっていますので、フルゲートの頭数が多い中央競馬ほど配当が高いといえます。
東京競馬の低配当回数
配当 | 11/7 | 11/8 | 11/14 | 3日間合計 | 全レースでの割合 |
単勝1倍台 | 4 | 1 | 0 | 5 | 13.9% |
馬連10倍台以下 | 4 | 2 | 3 | 9 | 25% |
3連単万馬券以下 | 4 | 3 | 5 | 12 | 33.3% |
14日が1倍台の勝馬がいないというのも衝撃ですが、全レースの割合でみても地方競馬よりも低配当が少ないのが見て取れます。
中央競馬のほうが馬券的に難しいのは間違いないでしょう。
各競馬場の比較では高知競馬が低配当気味でJRAが高配当
ここまで紹介した地方競馬と中央競馬の該当日における3日間の平均配当を比較してみましょう。
各競馬場の連続3日間平均配当
単勝 | 馬連 | 3連単 | |
門別 | 708 | 3,202 | 58,065 |
大井 | 575 | 2,802 | 36,336 |
川崎 | 833 | 2,537 | 52,038 |
名古屋 | 1,065 | 3,085 | 62,483 |
高知 | 602 | 1,753 | 28,538 |
東京(JRA) | 1,050 | 6,022 | 248,961 |
各競馬場ともにコース形態や天候、馬場状態、出走頭数、メンバーの力関係などで毎回同じようにはなりませんが、ある程度の傾向は絞られます。
ここで分かるのは地方競馬の平均配当では高知競馬が圧倒的に低い水準となっていることです。
大井競馬も時に大きい配当も出ますが、低配当の傾向が分かる結果となりました。
名古屋競馬の平均が高くなっていますが、たまに出る大きな万馬券の影響ともいえます。
これは下記の低配当割合を比較してみればよく分かります。
各競馬場の低配当割合
門別 | 大井 | 川崎 | 名古屋 | 高知 | 東京 | |
単勝1倍台 | 22.9% | 16.7% | 30.6% | 30.6% | 44.4% | 13.9% |
馬連10倍台以下 | 51.4% | 52.8% | 47.2% | 58.3% | 66.7% | 25.0% |
3連単万馬券以下 | 51.4% | 52.8% | 52.8% | 63.9% | 72.2% | 33.3% |
この表をみても分かる通り、名古屋競馬は高知競馬に次いで単勝や馬連、3連単での低配当の割合が高くなっており、全体的には安い配当になっています。
一方で大井競馬は単勝の割合がJRAに近いほどで、馬連10倍台以下が50%を超えていることから上位人気勢が馬券に絡んでいることを意味しており、予想が困難なのにそこまで配当が上がらない傾向です。
また、出走頭数が少ないのにも関わらず、門別競馬ではどちらかというと荒れやすい傾向にあるともいえるでしょう。中穴を狙うならおすすめです。
川崎競馬では単勝1倍台の割合が多いですが、馬連10倍以下が大井競馬よりも低くなっており、馬単で2着にヒモ穴を狙うのも面白いといえます。
各競馬場の特徴をまとめてみます。
門別 | 出走頭数が少ないのに低配当の割合が少ない。本命も出やすいが人気馬から中穴を狙うのも面白い。 |
大井 | 単勝1倍台よりも、4番人気くらいまでの上位人気勢が好結果になりやすい。予想を絞りづらいのに高配当になりにくいので難解。 |
川崎 | 単勝1倍台では好結果になるが、馬連ではヒモ穴人気を連れてきやすい。人気馬と中穴の組み合わせで勝負。 |
名古屋 | 万馬券で波乱も出るが、基本的には平穏な配当となりやすい。3連単は1/3の確立で万馬券になる。 |
高知 | 低配当で決着しやすい。単勝や馬連の人気は信頼しやすい。本命サイドで予想する人に向いている。 |
東京 | 馬連や3連単の低配当割合でも群を抜いて少ない傾向。予想するのが困難で、3連単は7割弱が万馬券で馬連も3/4で4ケタ以上の配当となっている。 |
まとめ
地方競馬の平均配当では同時期の比較を検討して見た結果、高知競馬が最も低い配当水準であることが分かりました。
本命サイドの決着を望んでいる競馬ファンにはJRAで勝負するよりも夕方以降の高知競馬で週末を過ごしたほうが負けない馬券を楽しめる可能性が高まります。
大穴を狙うならやはりJRAの競馬に絞り、本命サイドでは高知競馬や名古屋競馬で勝負するのが無難です。
人気馬決着でBOX勝負を心がけているなら大井競馬でも勝負できるでしょうし、門別や川崎は中穴程度の配当も期待できますので、そこまでの回収率を望んでおらず手広く流したい人にはおすすめです。