競馬には馬連と馬単を使い分けて予想している人も多いでしょう。
1着や2着を固定している馬単は馬連よりも倍以上の配当になることもあり、予想が的中したら嬉しさも倍増といえます。
馬単的中を狙うのが基本スタイルとして、まだまだ馬単の凄さを知らない人も多いのが事実です。
特に馬単ボックスは買い方一つで儲けを出すことが可能といえます。
そこで馬単を競馬予想にするのに適した考え方とボックスの買い方をここで考察していきましょう。
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馬単の魅力は的中したときの爽快感だが手が広くなる人も多い
競馬の醍醐味ともいえるのが馬単の的中です。
競馬を予想するときにはまず勝馬とそれに対応する2番手の馬を選ぶのは王道スタイルです。
それゆえに1着と2着をきっちりと当てるのは爽快でだれでも嬉しいものでしょう。
しかし、1着と2着が逆になってしまった場合や1着・3着の組み合わせになると損をした気分になり、馬連やワイドまで手を広げて回収率が下がってしまう人も少なくありません。
予想を1着固定にしてしまうと、どうしても本命馬が2着や3着に入ったときに、予想はしていたのにと後悔してしまう人が多いものです。
そのため、馬連やワイドも追加しておきながら、本命馬が外れたときのことも考えてすべての式別でボックス馬券を買ってしまい、手が広くし過ぎて元手も多くなってしまいます。
馬単は手を広げずに分析をしっかりと行い上位人気馬を1着固定で勝負
ではどうしたらいいのでしょうか。
基本的に馬単で勝負するには手を広げ過ぎてはいけません。
先述した馬連やワイド、3連複と3連単にまで手を広げてしまうと馬単での狙いを絞り過ぎて利益が減少してしまいます。
3連単が的中すれば回収率も上がるでしょうが、馬単よりもさらに難易度が高くなってしまいます。
また、馬券を外したときのダメージも大きくなってしまうでしょう。
馬単を的中するには1番人気に絞る必要はありませんが、しっかりと分析を行って上位人気で攻めるのが常套手段といえます。
多くは単勝オッズが一桁台になる馬たちで、この中から自分の本命馬を絞り込んで1着固定で流すのが理想的です。
なぜこの方法がいいのか、2020年12月6日の阪神競馬での一例をみていきます。
阪神3Rでは2歳未勝利戦で芝1600mとなっています。
17頭立てで1番人気は7枠13番のタガノディアーナでした。
同馬は京都の新馬戦2着、東京の未勝利戦2着で実力もあり、ここでも2.4倍の1番人気に支持されています。
上位人気をまとめてみましょう。
12/6 阪神3Rの上位人気馬
馬名 | 枠 馬番 | オッズ 人気 | 備考 |
タガノディアーナ | 7枠13番 | 2.4倍 1番人気 | 近2走で2着だが、2走ともスタートが悪い。 |
サイキユイコウル | 1枠1番 | 7.8倍 2番人気 | 京都新馬戦1400mで逃げ粘って5着と健闘。 |
パタゴニア | 4枠7番 | 7.8倍 3番人気 | 夏の阪神マイルで5着。同レースの1・2着馬は後の重賞勝馬でレベルが高い一戦だった。5か月の休み明け。 |
マリーナ | 8枠15番 | 8.5倍 4番人気 | ここまで5戦を消化し経験豊富。前走も阪神1400mを先行して3着。 |
通常なら開幕週となる12月第1周の阪神競馬ですが、今年は京都競馬場が改修工事に入るので、すでに1か月の開催後となっており、逃げ先行勢が有利な超高速馬場とまでの予想とはみられませんでした。
そこで出遅れ気味のタガノディアーナも開幕週ではなく、外回りコースで直線が長くて坂のある阪神に替われば末脚も活用しやすいだろうと予想されて1番人気に支持されていたといえます。
しかしながら、競馬の予想はデータも重視しなくてはなりません。
基本的にどのコースでも先行馬と内枠が有利なものです。
それだけゴールに近いからともいえます。心肺能力が出来上がっていない2歳馬ならなおさらといえるでしょう。
過去3年における上位人気馬の阪神芝1600mのデータを見てみます。
枠 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 11.3% | 17.2% | 25.4% |
4枠 | 8.4% | 16.3% | 23.2% |
7枠 | 7.5% | 13.9% | 20.8% |
8枠 | 5.5% | 12.2% | 19.6% |
この表をみても分かる通り、内枠から順に好走しているのが分かります。では脚質はどうでしょうか。
過去3年における阪神芝1600mの脚質成績
脚質 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 13.1% | 24.4% | 31.5% |
先行 | 11.3% | 21.8% | 31.3% |
差し | 6.8% | 14.1% | 22.1% |
追込 | 3.2% | 6.9% | 11.8% |
やはり逃げ・先行馬が有利といえます。
もちろん、後方からの馬がすべて不利とはいえませんが、競馬は基本的に好位を取れる先行・内枠が狙い目ともいえます。
それでは結果を見てみます。
着順 | 枠 馬番 | 馬名 | 着差 | 通過順位 | 人気 |
1 | 4枠7番 | パタゴニア | ①① | 3番人気 | |
2 | 1枠1番 | サイキユイコウル | 1/2 | ⑨⑧ | 2番人気 |
3 | 7枠13番 | タガノディアーナ | 1/2 | ⑬⑪ | 1番人気 |
4 | 8枠15番 | マリーナ | 1・1/2 | ②② | 4番人気 |
上位人気で決まりました。
スタートで後手を踏んだ13番タガノディアーナが後方からとなり、好スタートを切った7番パタゴニアが先手を奪います。
15番マリーナが外目から2番手に付けて、1番サイキユイコウルは内の好位を取って他馬を見ながら折り合いを付けていきました。
3コーナーから4コーナーでペースが上がりますが、経済コースを通ったパタゴニアは直線でも伸びていき、内の空いたスペースを突っ込んできたサイキユイコウルが迫ります。
9頭分の大外からタガノディアーナが猛烈に追い込んできましたが、前の2頭を捉えられませんでした。
やはりスタートに難があるのでタガノディアーナはずっと大外を回る不利がありました。
その点パタゴニアは好スタートからそのまま押し切り、先行馬が有利なのを裏付けています。
もちろん、新馬戦のレベルが高かったので本来なら1番人気でもおかしくはないポテンシャルを秘めていることでしょう。
2着のサイキユイコウルは差しに見えますが、先行集団の後方で経済コースをずっと走っていたので、最後まで余力があったのでしょう。
このように、スタートに難があるなど1番人気を信じて本命にするのが怖い場合は力があって枠順に有利な2番人気や3番人気を軸にしたほうが的中率は上がります。
払戻金をみていきます。
- 馬連1-7… 2,870円
- 馬単7-1… 5,170円
- 3連複1-7-13… 3,050円
- 3連単7-1-13… 23,270円
ここで注目したいのはやはり馬単です。
3連複よりも高額となっています。
これは3着に1番人気が来たからといえますが、馬単は理想的な配当といえます。
もちろん3連単が一番高額になっていますが、これを狙って手を広げた場合はもらえる配当も実は少なくなります。
例えば軍資金3,000円で同レースを購入した場合をみていきます。
上位人気4頭に絞っているので、馬単なら7番から3点買いの1,000円ずつ購入できます。
払戻金は51,700円です。
一方で7番から手広く流した場合、馬連3点、馬単3点、3連複ボックス4点、3連単軸1頭マルチで7番から18点で28点買いとなります。
恐らく100円で全部購入して200円が残ることになるのでしょう。
これだと馬連・馬単・3連複・3連単の全てが的中したことになるので大喜びともいえます。
全部的中した場合の払戻金は34,360円となります。
馬単のみ3点勝負 | 馬連・馬単・3連複・3連単の全て的中 | |
買い目 | 1,000円×3点 | 100円×28点 |
払戻金 | 51,700円 | 34,360円 |
トータル17,340円の差額 |
ん?馬単に絞ったほうが全的中よりも高い払戻金になってしまいます。
手を広げ過ぎるとせっかく多く的中しても配当自体が少なくなってしまうのでおすすめできません。
馬単に絞って購入したほうが絶対にお得といえるでしょう。
上位人気でも1番人気との組み合わせは儲からない
では上位人気に絞る場合、1番人気を軸にしたらどうなるでしょう。
同日に行われたメーンレースのりんくうステークス(オープン)を例にしてみます。
ダート1200mで1番人気は3勝クラスを勝ち上がったばかりのジェネティクスでした。
同馬は3歳馬ながら素質を期待されており、1枠1番に入ったことから人気を集めています。
結果を見ると同馬の逃げ切り勝ちになっており、2着には4番人気、3着には3番人気が入って上位人気の決着となっています。
着順 | 枠 馬番 | 馬名 | 着差 | 通過順位 | 人気 |
1 | 1枠1番 | ジェネティクス | ①① | 1番人気 | |
2 | 7枠14番 | レシプロケイト | ハナ | ⑨⑦ | 4番人気 |
3 | 4枠8番 | コパノフィーリング | クビ | ②② | 3番人気 |
払戻金をみてみましょう。
- 馬連1-14… 900円
- 馬単1-14…1,180円
- 3連複1-8-14… 1,850円
- 3連単1-14-8… 5,350円
3レースと同じように上位人気4頭で買い目を購入したとします。
同レースでは2着に4番人気が入ったとはいえ、1番人気の支持が高くなっており、馬単と馬連がほとんど変わらない配当となってしまいました。
これを受けて馬単を1点×1,000円勝負したとしても、全的中のケースと比べてわずか2,520円の差額となっています。
元より200円買い目が違うので実質は2,320円しか変わりません。
このことから見ても分かる通り、上位人気で決着したとしても、支持の高くて強そうな1番人気を軸にするよりも、1番人気に不安がありそうなレースで2~4番人気を軸にしたほうが払戻金で儲かります。
馬単では1番人気が脚質的に後方からで外枠になる場合は、先行できそうな内枠から中枠に入った上位人気馬を軸にするようにしましょう。
馬単は5頭ボックス買いでヒモ穴も狙うのがベスト
馬単で勝負する場合、上位人気馬のみとなると買い目が少なくて的中率が下がることも考えられます。
常に上位人気ばかりで決まることがないからです。そこでボックス馬券の出番となります。
ボックス馬券は軸にしたい馬を1頭挙げて、上位人気馬から2頭、穴(ヒモ穴・大穴)から2頭の5頭ボックスが理想的です。
言ってみれば上位人気3頭と穴馬2頭の組み合わせになります。
もちろん、実際のオッズで払戻金が変わりますが、5頭の内で穴馬が1着にでもなれば大きな配当を見込めます。
なぜ5頭かというと、先述した4頭の上位人気馬券で馬連・馬単・3連複・3連単と式別を多くする場合、大方で20通り前後となるからです。
5頭の馬単ボックスは20通りとなり、軍資金的にも買いやすい点数といえます。
ボックス買い目表
頭数 | 馬連・ワイド | 馬単 | 3連複 | 3連単 |
3頭 | 3 | 6 | 1 | 6 |
4頭 | 6 | 12 | 4 | 24 |
5頭 | 10 | 20 | 10 | 60 |
6頭 | 15 | 30 | 20 | 120 |
7頭 | 21 | 42 | 35 | 210 |
8頭 | 28 | 56 | 56 | 336 |
9頭 | 36 | 72 | 84 | 504 |
10頭 | 45 | 90 | 120 | 720 |
11頭 | 55 | 110 | 165 | 990 |
12頭 | 66 | 132 | 220 | 1320 |
13頭 | 78 | 156 | 286 | 1716 |
14頭 | 91 | 182 | 364 | 5184 |
15頭 | 105 | 210 | 455 | 2730 |
16頭 | 120 | 240 | 560 | 3360 |
17頭 | 136 | 272 | 680 | 4080 |
18頭 | 153 | 306 | 816 | 4896 |
この20点買いですが、馬単だけに絞らずに馬連ボックスと3連複ボックスを購入しても20点買いになり同じ購入金額となります。
後者のほうがお得に感じますが、3連複は出走頭数が増えるほど的中する確率は難しくなってしまいます。
このボックス買い目表はそのまま何通りあるかを示しており、フルゲート18頭立てになると馬単と3連複では倍以上の難しさを誇っています。
馬単ボックスはレース分析を行えば小頭数でも高配当を望めて儲かる
では実際のレースで5頭ボックスを購入した場合の払戻金をみていきましょう。
予想はもちろんしっかりと分析をしたうえで行いうのがベストです。
先述した2つのレースと同日に行われた阪神10レースの逆瀬川Sを例にしてみます。
芝1800mで11頭立てと少ないですが、3勝クラスのハンデ戦で意外に難解ともいえます。結果から先に見ていきましょう。
阪神10レースの結果
着順 | 枠 馬番 | 馬名 | 着差 | 通過順位 | 人気 |
1 | 5枠5番 | ナルハヤ | ①① | 4番人気 | |
2 | 7枠9番 | コマノウインクル | ハナ | ⑪⑩ | 5番人気 |
3 | 6枠6番 | レッドベルディエス | クビ | ⑨⑨ | 3番人気 |
・馬単5-3… 13,480円
勝馬は4番人気で逃げ切り勝ち。
2着には人気で差のない5番人気が入っています。
この組み合わせで万馬券になれば20点買いでもおいしいといえます。
勝った6歳牝馬のナルハヤは前走のユートピアS(牝馬限定戦)で3か月半の休み明けとはいえプラス20キロで17着と惨敗していました。
ただ、夏に行われたG3のマーメイドSで0.4秒差の4着、クイーンSでも0.4秒差での8着と重賞でそれほど負けていない実力を見せています。
特にクイーンSではマイナス16キロと大きく馬体を減らしており、今回は510キロとマーメイドSと同じ馬体重にまで戻してきました。
しかも斤量は53キロと軽ハンデとなったので4番人気にまで支持されています。
小頭数で先行力のある馬なので今回はかなり買い目のある馬といえます。
重賞で結果を残しているので、53キロのハンデなら好走しても何らおかしくはありません。
現に逃げ切り勝ちをおさめています。
4番人気を中心に5番人気をヒモ穴としてボックスにしておけば、この万馬券が取れたことになります。
4番人気が勝利した理由
- 重賞でも通用する先行力で小頭数
- 前走大敗で軽ハンデ
- 近走の敗因がはっきりしている
一方でこのレースの1番人気は単勝1.6倍と圧倒的支持率を誇る3枠3番のラルナブリラーレです。
同馬は3歳牝馬で6戦目に初勝利を飾ると、古馬相手に夏の阪神で1勝クラスを勝って、前走の2勝クラスでは牝馬限定戦ながら3か月の休み明けで4馬身差の圧勝劇を演じています。
当然ながら昇級戦でも通用すると見込まれての1番人気といえます。
しかし、同馬は危険な人気馬といえます。
出走メンバー11頭中同馬と同じ53キロの斤量を背負ったのが実に6頭おり、上は55キロで下は52キロとほとんど差がありません。
しかもこのレースは牡馬もいるので、前走牝馬同士のレースで圧勝したおかげでハンデ差がまったくないようになっています。
これは3歳牝馬にはつらいものであり、結果として9着に惨敗しています。
1番人気で危険度が高い理由
- 昇級戦なのに圧倒的1番人気
- 前走牝馬限定戦で結果を出しているが、今回は牡馬混合戦
- 3歳牝馬なのにハンデ戦でほとんど差がない
特にハンデ戦では上位人気馬が負けるケースが多いので、しっかりとレース分析を行って予想すれば小頭数でも馬単ボックスでしっかりと儲けることが可能といえるでしょう。
まとめ
競馬の醍醐味といえる1着と2着の着順を当てる馬単は、的中させるとかなりの爽快感を得ることができるので魅力的な馬券といえます。
上位人気の軸馬を1頭に絞り、1着を固定させると払戻金で回収率を上げることができます。
その反面、外れ馬券にしたくないと考えて式別を増やして手を広げてしまうと回収率が下がってしまいます。
馬単は5頭ボックスで上位人気馬を3頭、ヒモ穴を2頭に絞り込むと高額の配当も手にすることができます。
馬単ボックスで儲かる方法として、レース分析をしっかりと行い、危険な1番人気を外して魅力ある上位人気馬をボックスの買い目に入れるように予想していきましょう。