飲み会や会食など食事のあとにはお礼の言葉を伝えるのが社会人のマナーです。社外だけではなく社内でもお礼は必要です。
今回はメールで食事のお礼を伝えるときのタイミングや文章のコツなどを見ていきましょう。
例文もあるので参考にしてみてくださいね。
Contents
お礼メールを送るタイミング
お礼のメールを送るタイミングは、食事に限らずできるだけ早い方がいいです。
上司との飲み会や取引先との会食など、さまざまな食事の機会があると思いますが、翌日中までに送るのがベストです。
親しい間柄であれば、できればその日の帰路を利用して携帯電話でメールをするのがスマートです。
しかし、帰りはお互いお酒が入っているといった場合も多いので、しっかりとお礼を伝えるのであれば翌日に。
社内の場合は、翌日顔を合わせるのであれば、直接お礼を言いましょう。
社内でも出張などで相手がいない、勤務場所が違い直接会えないときは取り急ぎメールでもOK。
社外の場合は午前中にメールを送信しておくと好印象。
贈り物をいただいたときなども相手は届いたかどうか気にしているので、できるだけ早くお礼のメールを送りましょう。
まだ食べていないから、まだ使っていないからではなく、届いたことに関してのお礼をなるべく早く伝えるのがマナーなのです。
お礼の電話やメールをすることがなかなかできず、3日以上すぎてしまったときは「お礼が遅くなり申し訳ありません。」と一言添えましょう。
お礼メールの基本の流れ
お礼のメールは、いつものとおり相手の名前を記載したあとに、「お世話になっております。」や「お疲れ様です。」といった挨拶から始まり、最後は自分の名前で終わるのは変わりありません。
基本的な流れは以下のとおりです。
- お礼をのべる
- 食事であった出来事を振り返る
- これからもお付き合いをしたいという思いを込める
このポイントを抑えておけば、自分らしいお礼ができます。
社外・社内に関わらず社会人であれば、今までさまざまなお礼メールやお礼状を見ていますから、定型文を貼り付けて送るだけでは気持ちがこもっていないとバレてしまうので気をつけましょう。
具体的にどのような文章にしたらいいのか、ポイントごとに見ていきましょう。
お礼をのべる(社内:上司・先輩の場合)
まずは最初にお礼を伝えます。
「昨日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました。」
と、忙しい中で自分との時間を設けてくれたことに感謝の気持ちをのべます。
ごちそうになったときは、「すっかりごちそうになってしまい恐縮です。」「思いがけずごちそうになってしまい、ありがとうございました。」と支払ってくれたことへのお礼の言葉も忘れずに。
お礼メールの内容は食事代によっても考慮する
しかし、誰にでも同じようにごちそうになったお礼を言えばいいというわけではありません。
上司との軽い食事から、取引先の社長さんとの会食など、一概に「食事」と言っても様々な場面が想定されます。
ごちそうになった場合、どのくらいの食事代がかかるのか、リーズナブルなお店から高級店を例に上げて調査してみました。
お礼メールの定型文から外れるために、お店の価格帯によってお礼ののべ方を変えるのはおすすめですよ!
【鳥貴族】298円均一の超リーズナブルなチェーン店
鳥貴族のメニューは、フードもドリンクも一律298円という驚きの低価格。
上司から「ちょっと一杯行くか?」と誘われて行ったことがあるという人もいるのでは?
1人5品ずつ食事を注文し、1人5杯ずつお酒を飲んでも、1人当たり2,980円です。
夜の食事にしてはリーズナブルな価格ですので、あまり恐縮する必要はなし。
逆に、「とても美味しいディナーをごちそうになってしまいありがとうございました。」などと、あまりにかしこまった内容を送るのはやめたほうが良いでしょう。
リーズナブルなチェーン店での食事のお礼メールでは、お店や食事・飲み物について触れるよりも、下記のような文章を記載すると良いです。
- 貴重なお時間をいただいたうえ、ごちそうしていただきありがとうございました。
- 楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。
結びには、
「ご厚意に甘えてすっかりごちそうになってしまいました。
とても楽しい時間を過ごさせていただいたので、よろしければ、またお誘いいただけましたら幸いです。」
などと、次回に繋がる文章も入れると◎。
リーズナブルなお店での食事に対するお礼メールは、少しフランクさを出した方が、次回も気兼ねなく誘ってくれることでしょう。
チェーン店と言えど、リーズナブルなお店とそうでないお店があります。高級チェーン店で食事代をごちそうになった場合は、食事内容についても触れるのがベター。 では、高級なチェーン店とはどのくらいの価格設定なのでしょうか。
【叙々苑】焼肉弁当でも人気な高級焼肉チェーン店
叙々苑は、一度は訪れてみたい高級焼肉店の一つなのでは?安さを売りにしている焼き肉店が多くある中、叙々苑の焼肉は高級志向です。全国展開しているチェーン店ではありますが、決してリーズナブルとは言えません。
焼肉会席コースは6,800円~11,000円。中生ビールは1杯750円です。サワーやカクテルなど幅広い飲み物を提供していますが、飲み放題はなく価格帯は1杯600円~800円程。
一番安い会席コースとアルコール5杯飲めば、1人10,000円を超えます。上司と2人で食事をしてごちそうになったとすれば、20,000円を超える支払いをしてもらうということに。
チェーン店等に限らず、高級店で1人あたりの支払いが10,000円を超える場合は、ごちそうになってしまったことにしっかり触れておきましょう。
- 美味しい食事をごちそうになってしまい、散財をおかけしました。
- ご厚意に甘えて食事をごちそうになってしまい恐縮です。
- 私の相談に乗っていただいた上に、ごちそうにまでなってしまい、恐縮するばかりです。
もちろん価格が全てではありませんが、「ここは高級なお店だぞ。」と感じた時は、必要以上に恐縮してお礼をしたほうが無難です。
リーズナブルなお店とは違い、「よろしければ、またお誘いいただけましたら幸いです。」といった結びは避けるようにしましょう。
上司からすれば、「また高級店で食事をごちそうしなければ…」というプレッシャーにもなりかねません。
「〇〇さんのお口に合うかわかりませんが、次回は私の行きつけのお店でご一緒していただけましたら幸いです。」などと、自分がセッティングさせていただく旨を記載すると印象が良くなるでしょう。
Barはドリンクだけでも高額になる可能性あり
高級店以外に価格帯が上がるのがBarです。おしゃれで大人な雰囲気のあるBar。そんな場所へ連れて行ってくれる上司なんて憧れちゃいますよね。
しかしドリンク1杯が良い値段するため、高額になりやすいので飲みすぎは注意。こちらは日比谷にある日比谷Barのドリンク価格の一部です。
- ビール…825円~
- ウイスキー…825円~
- ロングカクテル…1,045円~
- ノンアルコールカクテル…748円~
高級ウイスキーは1杯10,000円以上することも。Barでは他にも、チャージ料(席料)やお通し料など、メニュー表以外にかかる料金もあり、全体的な支払額が見えないことが多いです。
Barに連れて行ってもらった場合も、高級店同様「ごちそうしていただいて恐縮している」旨を伝えるメールが送れると良いですね。また、お店の外観や雰囲気などに触れるのもおすすめ。
- 今まで行ったことのないおしゃれなお店に連れて行っていただきありがとうございました。
- とても雰囲気の良いお店で、「自分も〇〇さんみたいにこの店が似合う人になりたい!」と思いました。
- ウイスキーに初めて挑戦しましたが、おしゃれなお店の雰囲気も相まって、とても美味しくハマってしまいそうです。
上司が自分のお気に入りのBarへ連れていくということは、気に入られている証拠です。自分の店選びのセンスを褒めて欲しい場合もあるので、少しでも触れてくれたら嬉しいはず。長々と感想を書く必要はないので、一言沿えてみてください。
【うかい亭】非日常の空間を提供するうかいグループ
取引先の社長などとの会食では、自分では到底足を踏み入れられないような高級店に連れて行っていただくことも。
テレビの撮影などでも利用されたことのある【銀座うかい亭】。こちらのグランドコースの最低価格は19,800円です。スペシャルコースになると、なんと29,700円!ワインはグラス1杯1,980円です。
一番安いコースとワイン1杯をごちそうになったとしても、軽く1人20,000円越えです。
お礼メールの際は、ごちそうになって恐縮していることの他に、食事の内容についても触れることを忘れずに。
- これまで食べたことのない〇〇に、感銘を受けました。すばらしいお店に同席させていただきありがとうございました。
- 〇〇さんおすすめの●●がとても美味しく、今までの●●の概念を変えました。
しかし注意したい点がひとつ。
価格については触れないことです。
あくまで、「私には似つかわしくないような高級店でお食事をごちそうになってしまい、恐縮です。」と、ごちそうになったことについてのみ触れるようにしましょう。
お礼をのべる(社外:会食などの場合)
社外との会食で案内などを先にもらっていて、相手方がセッティングしてくれたというときは「招待いただきありがとうございました。」といった言葉も記載するようにしましょう。
招待いただいたことに関するお礼の他にもメールに記載すべきことがあります。それは下記の3点。
- お店の雰囲気
- スタッフの接客態度
- 料理や飲み物の内容
これらについての感想も伝えるのがマナーというものです。
お店選びは、想像以上に大変なものです。接待相手の年代・好みの食事内容・予算・場所など、様々なことを考慮しながら選んでいるはず。
「楽しんでもらえただろうか?」「満足してもらえただろうか?」と不安に思っていることでしょう。
「とっても素敵なお店をご紹介いただきありがとうございました。」「家族にも紹介したいです。」などと、お店が気に入ったということも付け加えるとポイントアップ。
お礼メールでは、招待いただいたことだけではなく、お店に関する感想、さらにはまた利用したいという思いを伝えるようにしましょう。
食事であった出来事を振り返る
食事での思い出を一言入れましょう。
失礼に当たらなければ何でもOKです。
この一言がないと、「定型文で送ってきたのかな?」「気持ちがこもってないな…。」と思われてしまう可能性があります。
先ほども触れましたが、上司や先輩へのお礼を伝える場合は社内で会えるのであれば直接伝えるのがベスト。
しかし、出張や外出などで翌日会うことができないのであれば、メールを送ることもあるでしょう。
急いでメールを送らなければと思うあまりに、定型文をそのまま送ってしまったなんてことがある方もいるのではないでしょうか。
定型文と思われてしまいそうなお礼メールの例としては下記のようなものです。
○○部長
お疲れ様です、山田です。
昨日はお忙しい中、お食事にお誘い頂きありがとうございました。
美味しい食事と共に貴重なアドバイスをたくさん伺うことができ、とても勉強になりました。
ぜひまた機会がございましたらお話をお伺いできればと思っております。
メールで失礼ながら、お礼申し上げます。
山田
「定型文のメールか?」と思われてしまうと、せっかくのお礼メールなのにマイナスイメージを与えてしまうということも。
せっかくお礼をしたくてメールを送ったのに、自分の言葉で書いていないばかりに「作業的に送っているのだろうか?」と不信感を抱かせてしまう可能性もあります。
また、お店や食事について一切触れられていないことで、「せっかく連れて行ってあげたのになぁ。」と思わせてしまうかも。
「私のために書いたメール」と感じてもらえなければ、それはお礼メールではなく、ただの業務的なメールです。
良い印象を持ってもらえるようなメールが送れれば、また食事に誘っていただけるだけでなく、新しい仕事を任せてもらえることもあるかもしれませんよ。
取引先へのお礼メールは上司とは少し異なりますよね。
取引先に「定型文だな。」と思われてしまいそうなメールはこちら。
○○株式会社
営業部 部長 ○○様
平素より、大変お世話になっております。
株式会社◆◆ 営業部の山田です。
昨夜はお忙しい中、お付き合いいただき、ありがとうございました。
お蔭様で〇〇様と楽しいひとときを過ごすことができました。
またご一緒いただける日を楽しみしております。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
メールにて恐縮ではございますが、
取り急ぎ、お礼申し上げます。
株式会社◆◆ 営業部 山田
会社名と名前だけを変えれば誰にでも送れてしまうようなメールですよね。
これでは、「とりあえずメールを送ってきただけか。」と思われてしまいます。
本当に相手方へ感謝をしていたとしても、これではお礼の気持ちは伝わりませんよ。
上司へ定型文メールを送ってしまった場合と同様、取引先へ定型文メールを送ってしまった場合もあまり良い印象は持たれないでしょう。
最悪、取引先との取引がなくなることもあるかもしれません。
業務的なお礼メールを送ってくる取引先より、相手のことを考え、相手のためだけに書いたメールを送ってくる取引先のほうが信頼できますよね。
食事会のお礼メールだけで取引が左右されるというのはオーバーな話と思うかもしれません。
しかし、会社の取引というのは人と人との繋がりが影響しているとも言えます。
他の会社とは違うということを伝えるには、こういった小さなお礼メールが大きな第一歩なのです。
自分らしいお礼メールのコツ
その場にいた人にしかわからないことを添えるのがお礼メールのコツです。
相手が店選びや予約などセッティングしてくれたときは、
- 「素敵なお店をご紹介いただき、嬉しかったです。」
- 「○○さんおすすめの日本酒の味が忘れられません。」
- 「新鮮な魚介類がとても美味しかったです。」
といったように、店や料理を褒めてみましょう。
他にも会話を振り返るのもOK。
- 「有意義なお話ができたことうれしく思います。」
- 「貴重なお話を聞くことができ、大変勉強になりました。」
- 「仕事の相談にのっていただき感謝しています。」
- 「○○さんのゴルフの練習方法を今度試してみたいと思います。」
といったような言葉もいいですね。
お礼メールをするには話題作りも大事
会話を振り返りお礼メールへ記載するためにも、食事の時の話題作りが重要です。会話を円滑にするためには「聞き上手」になりましょう。
自分が率先して話すよりも、相手の話を上手に聞くことができれば会話はスムーズにすすみます。そのコツは「質問すること」。そして、質問したことに適度な相づちを入れるのも大切ですよ。
例えば…
- あなた:お休みの日は何をされているんですか?
- Aさん:釣りに行くことが多いかなー。
- あなた:すごい!釣りをされるんですね!どちらで釣りをされるのですか?
「釣りに行く」と言われたら、「どちらで?」とか「何を?」とか、会話を広げようとすぐ質問したくなってしまいます。
ですがこれはNG。
まずは相づちをうち、話を一旦受け止めるようにしましょう。
これにより、「ちゃんと話を聞いてくれているな。」と相手は安心感を得られます。
そして、「もっと話を聞いて欲しい!」と会話が広がっていくのです。
覚えやすい相づちとして有名なものを紹介しますね。
- さ…さすがですね
- し…知らなかったです、実力があるからですね
- す…すごい
- せ…センス良いですね、絶対~
- そ…そうなんですね
しかしあまりに連呼するのは良くないです。何事も適度が大切!使う頻度には気を付けましょうね。
これからもお付き合いをしたいという思いを込める
締めにこれからもお付き合いしていきたいという意味の文書を添えます。
「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。」
「次回はぜひこちらでセッティングいたしますので、またご一緒できますと幸いです。」
「お返しさせていただきたく存じますので、機会がありましたらまたよろしくお願いします。」
などがいいでしょう。
上司や先輩の場合は、お返しすることはないので「今後とも仕事を頑張りますので、ご指導ください。」といった締めがおすすめです。
「メールにて恐縮ですが、取り急ぎお礼申し上げます。」といった言葉も添えられるといいですね。
年上の人は直接または手紙、電話等でお礼はするものと考えている人もまだまだいるかもしれないので、メールで簡単に済ませてすみませんというお詫びの言葉があるだけで印象が変わります。
お礼メール:社外(取引先)の場合
書き方の手順はわかったけど、全体像がよくわからないという人も多いですよね。まずは社外(取引先)の場合のお礼メールの例文を見ていきましょう。
△△株式会社
営業部 課長 佐藤 様
いつも大変お世話になっております。
○○商事株式会社の田中です。
昨日はお忙しいところ貴重なお時間を割いて、ご招待いただき誠にありがとうございました。
美味しい食事とともに、普段はなかなかお聞きすることができないお話を伺うことができ、大変有意義な時間となりましたこと、重ねてお礼申し上げます。
また弊社の○○の件もお聞きすることができ、大変参考になりました。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
またご一緒できる日を楽しみにしております。次回はぜひこちらでセッティングさせていただければと存じます。
末筆ではございますが、取り急ぎメールにてお礼申し上げます。
○○商事株式会社 田中
お礼メール:社内(上司・先輩)の場合
社内(上司・先輩)の場合は、社外に比べると親しみがあるかもしれませんが、メールではしっかりとした文章を心がけましょう。
○○部長
お疲れ様です。
昨日はお忙しいところごちそうになりまして、ありがとうございました。
料理も美味しく、お酒をついつい飲み過ぎてしまいました。
仕事の相談の件も、アドバイスをいただき感謝しています。
まだまだ至らぬ点が多い私ですが、精一杯努力していく所存です。
今後ともご指導のほどよろしくお願いします。
直接お伝えしたかったのですが、出張とお聞きしたため取り急ぎメールにて失礼します。
総務部 田中
お礼メール:社内(上司・先輩)の場合、血液型別でメールの好みが違うのか?
上記で紹介されているメールに加え、上司の血液型別でどんな感じのメールを好むのか調査してみました。
A型「正しい言葉遣い、丁寧なメール」
B型「表現力のあるメール」
O型「忠誠心のあるメール」
AB型「ビジネスライクなメール」
血液型別でメールの好みが違います。
同じ血液型でも性格が違うこともあるので、あくまで参考に…上司や先輩によってメールの内容を変えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
食事のあとにお礼のメールが来たからといって、嫌な気持ちになる人はいません。ビジネスでもプライベートでも翌日までに相手に感謝の気持ちを伝えましょう。
今は会えるのが当たり前ではない時代です。ちょっとした気遣いが相手の心に響きます。