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心理学はビジネスにも活用できる?仕事で使えるテクニック大公開

「行動の科学」とも言われる心理学。良好な人間関係を構築するために重宝されています。
恋愛面などにおいてもよく活用されていますよね。

実は心理学のテクニックはビジネスシーンでも使えるものが多いのです。
心理学の知識とテクニックを習得していれば、仕事を円滑に進められるかもしれませんよ。

ビジネスで心理学を利用すべき理由とは?

あなたのまわりに「優秀なビジネスマン」はいませんか?ビジネスにおいて結果が出せる優秀な人間というのは、ビジネスに心理学を利用している可能性が高いです。

近年、心理学は経営者などがらも注目されており、お金や時間を使ってまで学ぶ人も大勢います。
それほどまでに心理学はビジネスと関係性が高いというわけです。

心理学を実際に利用することで起こりうる現象が、下記のようなものです。

  • 実際の商品を見ずとも、Webサイトから高額商品を購入する。
  • 買うつもりもなかったものを、営業マンと話しているうちに思わず購入してしまった。
  • 「マニュアル」など、形として実在しない商品に価値を感じ購入する。
  • 平均的な値段より高額でも、価値を感じ申込者が後を絶たない。

実はこれらの現象は、意図的に創り出すことができるのです。

それを可能としているのが心理学。効果的に心理学を利用すれば、営業成績を上げたり、収入をアップさせたりすることは容易になります。

ビジネスで使える心理テクニック7選

ではさっそく、実際にビジネスで使える心理テクニックをご紹介します。中には、プライベートやビジネスの中で、自然と実践しているものもあるかもしれません。

ミラーリング

相手の行動をマネすること。
相手がコーヒーを飲んだら、自分もコーヒーを飲み、頬を触ったら、頬を触るなど。親近感を抱かせる効果があり、商談などをうまく運べます。

相手に気付かれないようにやらなければ逆効果ということも。

バックトラッキング

オウム返しのこと。
相手の発言をそのまま返すことで、安心感や信頼感を増幅させる。

ミラーリングと違い、「言葉」のマネのこと。

類義語で返す、単語の言い換えはあまり効果がなく、そのままオウム返しするのが良いと言われている。

ホット・リーディング

相手の情報を事前調査し、雑談などの会話中にその情報を活用すること。
場を和ませられるので、相手の本音を引き出しやすくなる。

コールド・リーディング

ホット・リーディングのように事前調査するのではなく、その場の相手の表情・しぐさ・言葉などから心理を推測し、こちらの思惑に誘導するテクニック。
観察力やコミュニケーション能力、想像力が必要。

カクテルパーティー効果

自分の名前など、親しみのある単語は、パーティーなどざわついた場所でも耳に入ってくるという現象。メール冒頭に「〇●様へ」「●●会社様に」などあえて記載すると親しみを持ってくれる。

イエス・バット法

一度相手の意見を肯定し、否定する手法。

反論すべき場面でも、一度飲み込むことが重要。
「確かにそうですね。しかし…。」などと発言することで、嫌な印象を持たれにくくなる。

マジックナンバー3・5・7

2つは少ない、4つは多いと感じ、3は丁度いいという感覚。

また、短期的に記憶しておける数字は7前後。
そして、素数は心理的に注意を引きやすいという心理効果がある。

心理学は多方面にわたるため、ここには書ききれないほどの心理テクニックが存在します。
意識せずとも実践していたもの、簡単に生活に取り入れられそうなもの、少し練習が必要そうなものまで様々。

心理学をビジネスで利用するために念頭に入れておきたいこと、効果的に利用するコツもご紹介しましょう。

心理学をビジネスで効果的に使うために

心理学を利用したからといって必ず業績が上がるわけではありません。
効果には個人差があり、同じ心理テクニックを複数人に使ってみても、全員に効果が出るわけではないということは認識しておきましょう。

とはいえ、せっかく心理学を勉強し利用するのだから、効果的に使いたいものですよね。
大前提として、得た知識を手あたり次第とりあえず使ってみるのはNG。

効果を発揮するためには2つの段階とコツがあるのです。

一気に使おうとせず、1つずつ実践する

心理学におけるテクニックは、膨大な種類があります。
簡単に実践しやすいものから、習得が難しいものまで様々。

ビジネスに活かしやすいものから、そうでないものもあります。
なりふり構わず、ビジネスに活かしたい!と、手あたり次第実践するのは危険です。

  • やりやすいと感じたもの
  • ビジネス上、利用頻度が高そうなもの
  • 実際に先輩や上司が実践しているもの

こういったものから1つずつ身につけ、実践するようにしましょう。
心理テクニックの中には、似ているものや対となるものが多くあります。

1つうまくいかなくても、別のテクニックに挑戦したり、反対の効果がある心理テクニックを実践したりしてみてください。

なにごとも、トライ&エラーです。

得た知識や実践の結果から、自分なりに統計的なものを見出せれば、今後に活かせるでしょう。

気付いた時には、複数の心理テクニックをうまく組み合わせ、自然と実践できるようになっているはず。最初は焦らず、ひとつひとつ着実に身につけられるよう意識すると良いですよ。

無意識に実践できるようになるまで練習する

冒頭で、心理学は「行動の科学」とお話しましたが、実は、知らず知らずのうちに心理テクニックを実践している人もいます。
心理学をビジネスに利用してみよう!と意気込まなくても、心理学を勉強したことがなくても、今までの人生経験から自然とやってのける人がいるのです。

しかし、そういったタイプの人間でないのであれば、手始めに…と、商談や営業で試すのは危険です。
まずは家族や同僚に協力してもらって練習相手になってもらうとか、鏡の前で練習するようにしましょう。

かと言って、練習ばかりしていて本番の営業などで全く実践しないのも×。

最初は緊張するかもしれませんが、こればかりは何度も練習して慣れるほかありません。
練習した事実は裏切らないはず。

自信を持って実践してみましょう。

「この心理テクニックを今回は使おう!」と思わなくても、無意識にできるようになれば本物です。

心理テクニックを活用する際に注意したいこと

心理テクニックを活用する際に注意してほしいことがあります。それは下記の2点です。

  • 相手に心理学を利用していると悟られないこと
  • 心理テクニックに集中し会話をおろそかにしないこと

ビジネスにおいて、心理学の使用は有効です。
しかし、信頼を得て売上を伸ばそうと心理学を活用しても、相手にそれがバレてしまえば、かえって信頼を失ってしまうということも。あくまでもさりげなく、相手に悟られないように活用することを心がけてみてください。

心理学のなかには簡単に習得できないものも少なくありません。
観察力やコミュニケーション力などを駆使するあまり、会話に集中できなくなるということも…。

それでは本末転倒です。

商談や営業の際は会話に集中がマスト。
心理テクニックはあくまで「オプション」と考え実践できるようにしましょう。

職種別心理テクニック

ビジネスで心理学を利用するために、7つのテクニックをご紹介してきました。
これらは、どんな職種や業種にも利用できるものばかりです。

ここでは、職種や業種によって使いやすい心理テクニックを紹介します。

それぞれの場面で、心理学をビジネスに効果的に活用し、最大限自分の力を発揮できるようしましょう!

営業が成功する?心理テクニック

営業職で重要なのは、商品やサービスを「販売する」こと。
もともと商品やサービスに興味を持ってくださっているお得意様ならまだしも、飛び込み営業を成功させるのは至難の業ですよね。

ですが、心理学を利用すれば難しいと言われる飛び込み営業も成功する可能性も。
練習せずとも簡単に使えるものもあります。

ただ実践する時は、事前に頭の中でシュミレーションしておいてくださいね。

そして、欲張らず、1つずつ試してみてください。

心理テクニックを活用したいが故、取引相手の会話が頭に入ってこない!なんてことにならないよう注意しましょう。

フット・インザ・ドア・テクニック

一度Yesをもらえれば、続けてYesをもらえやすくなります。
「おはなしだけでも…!」と、ドアに足を挟んで時間をもらおうとするシーンが名前の由来。

この小さなお願いでYesがもらえれば、大きなお願い(商品の購入)もYesがもらいやすくなる。
ポイントは、小さなお願いを積み重ねていくこと。
2つ目のお願いで最終のお願い(商品の購入)はNG。

ドア・インザ・フェイス・テクニック

フット・インザ・ドア・テクニックの対となる心理テクニック。
先ほどとは逆に、最初に大きなお願いを断らせ、小さくしたお願いを飲んでもらうというもの。「10万円ですが買ってください」といったお願いを断らせたうえで「では、5万円でしたらいかがですか?」と交渉。

このテクニックは、ある程度の人間関係が構築できていないと逆効果な場合も。相手との距離感を見極めてうえで実践すると良い。

両面提示の法則

販売したい商品やサービスのメリットとデメリット両方を提示すること。

買って欲しい故にメリットばかり伝える場合が多いが、実はデメリットを伝えた方がより信頼してもらえる。
「売りたいだけではなく、自分(購入者)のこともしっかり考えてくれているのだ。」と思わせることが重要。

類似性の法則

自分と似たものや人に親近感を抱く法則。会話の中で小さな共通点を見つけ、それに触れることが重要。
雑談ができる場では利用しやすいテクニック。

スリーパー効果

信頼性は低くても、インパクトの強い情報であれば印象に残りやすいという現象。

お客様と信頼関係が築けていない状態でも、商品やサービスのありきたりな性能などを伝えるのではなく、インパクトがあり印象に残るメリットなどを伝えることができれば、印象に残りやすいということ。

ファーストコンタクトで「人」としての信頼ではなくとも、「インパクトのある情報」を植え付けられれば、再訪した時の印象が変わってくる。

接客時に心理テクニックを利用すれば売上向上!

接客業でも心理学はよく利用されています。

お店に来店されるお客様に対応する時、どのようにしていますか?相手の心理を読み取ること、それを利用し適切に誘導すること、これができれば売上向上も夢ではないですよ。

ただ、心理学には「あの人に効いたから、この人にも効く。」という絶対性はありません。

時と場合、人の性格や性別など様々な要因によって有効か非有効かが決まります。
同じように接客するよりも、複数の心理テクニックを身に着け、相手によって使い分けられるようになると良いでしょう。

決定回避の法則

選択肢が多すぎて1つに絞れなくなり、最終的には何も選ばなくなる現象。
「おすすめは何ですか?」と聞かれた場合、自信をもって1つ提案するとよい。

バンドワゴン効果

多くの人が支持している商品やサービスは信頼されやすいという心理効果。

今年流行りの〇〇など、大勢の人が身に着けているものを欲しいと思うこと。
「俳優の〇〇さんが身に着けているものと同じで、今大変人気です。」や「〇万人の愛用者が…。」など、多数の支持者がいることを伝えることが重要。

スノッブ効果

バンドワゴン効果の対で、多くの人が支持しているものは選びたくないという心理。大勢の人が身に着けているから自分も欲しいという人ばかりではない。「あなたらしさ」を提供してあげられるのがベスト。

マーケティング業界で心理学はよく使われている

商品やサービスを売れる「仕組み」をつくるマーケティング。その中でも重要になってくる宣伝活動には、多くの心理テクニックが利用されています。

なかには、営業や接客で活用できるものもありますので、ぜひ参考にしてください。

同調現象

多数派へ流される現象。「No.1」「売れ筋1位」などの文言があるだけで商品は信頼される。広告や、Web上の販売ページなどでは記載されていることが多い。

ウィンザー効果


第三者からの意見だと信ぴょう性が増すこと。

インフルエンサーが良い例。
知人や家族、一般人のSNSなどから高い評価を得ている商品やサービスは、売れ行きが上がる傾向がある。

ザイアンス効果(単純接触効果)

商品や広告を複数回接触させることで好感度を上げる方法。

SNS広告でよく利用されている。
何度も同じバナーや映像に触れることで、好感度が上がり、ついクリックして、さらに購入してしまうという心理。

「営業は足で稼げ!」もこの効果を利用していて、複数接触することでお客様の信頼を得ようという考え。

フレーミング効果

表現方法によって、相手の受け取り方も変わるということ。
同じことを言っていても、表現方法で印象が180度変わることがある。

ターゲット像をしっかりと把握し、購買意欲を増すキャッチコピーを考えられると良い。

ハード・トゥ・グット・テクニック

「特別」などの言葉で相手の気分を良くして、信頼を得ること。
「会員限定価格」「初回購入限定得点」もこれにあたる。

ロミオとジュリエット効果

入手困難さが購買意欲をかきたてる効果。

ハード・トゥ・グット・テクニックと似ているが、入手困難さがキーワード。「ご当地限定」や「数量限定」がこれにあたります。

あえて生産数を減らし品薄状態にすることで入手困難さをアピールするのも◎。

アンカリング効果

最初に数値など具体的な情報を与えることで、その後の意思決定に影響を及ぼすテクニック。

「今なら5,000円!」ではなく、「定価10,000円のところ、今なら5,000円!」と載せると購買意欲が促進される。

数値の記載は印象深くさせる効果があるのでおすすめ。

松竹梅の法則(極端性回避の法則)

値段の違う商品3つのうち、真ん中の商品を選んでしまう法則。高すぎず、安すぎないものが良いという心理がはたらくことを利用。一番売りたい値段を真ん中に設定すると良い。

インストラクターや後輩指導にも有効な心理テクニック

インストラクターや教師など、指導的な立場な人にも心理テクニックを有効活用してもらいたいです。

こちらで紹介するテクニックは、後輩指導や家庭内での育児でも応用できるものもありますよ。
相手の心理を読み取ったりするテクニックもあるため、少し難しいと感じるものもあるかもしれません。

ひとつひとつ練習して身に着けていけば、自然とできるようになるので、焦らず試してみてくださいね。

セルフプレゼンテーション

聞き手が、どんな印象を持って欲しいか想像するし、相手によって話す内容は話し方を変えるテクニック。

同じ講義内容でも、受講者ごとに少し内容を変えたり話し方を変えたりするということ。
自分が伝えたい物事や印象は一貫していても、場面ごとで相手の立場になって伝えることが重要。

ピグマリオン効果(教師期待効果)

人に褒められるとモチベーションが上がり成果を発揮すること。期待することで成果を上げさせるため、後輩指導でも応用できる。

ラベリング効果

他人に貼られたラベル通りに行動するようになるということ。

「〇〇さんは何事にも一生懸命で最後までしっかり取り組む。」と伝えると、そうありたいという心理も相まって、そのように行動するようになる。

逆に、「〇〇さんは根性がなくすぐ諦める。」とネガティブなレッテルを貼られた場合も、その通りになってしまう。

心理学を使いこなせば自分の気持ちもコントロールできる

仕事をしていると、良いことばかりではありません。ミスをしたり、スランプに陥ったり、上司や先輩に怒られて落ち込む時もあるでしょう。

そんな時も心理テクニックを利用すれば、自分自身の気持ちがコントロールもできるようになります。
自分の気持ちがコントロールできるということは、常にベストな状態で仕事をこなせるということ。
そのようになれば、会社などで一目置かれる存在にもなれるでしょう。

安定した仕事ができる人に、安心して仕事を任せられます。大きな仕事や一大プロジェクトを任されることもあるかもしれませんよ。

セルフコントロールのしくみは作れる

セルフコントロールとは、誘惑や衝動に直面した際に、自己の意思で感情、思考、行動を抑制することです。(Wikipedia)

自然とセルフコントロールができている人もいれば、かなかな自分自身でコントロールできない人もいるのでは。

仕事以外のプライベートにおいても、わかってはいるのに、自分の感情の赴くまま行動してしまったり発言してしまったりして後悔したり…。

そんな自分の心をコントロールできるのも心理学の力です。

まず、セルフコントロールを行うために最も重要なのは体調管理です。

体調不良は判断を鈍らせたり効率を欠いたり、モチベーションを低下させたりします。
少しの体調不良は見逃して仕事に没頭する日本人が多いですが、これは×。体調の変化を感じたらしっかり休むようにしましょう。

何より、体調を崩さないために食事や睡眠をしっかりとることが重要ですが。体は資本ですよ。

そして感情もコントロールできるようにしましょう。

ビジネスで成功するために、常に冷静でにいることはとても大切。
感情的になったり、ミスをいつまでも引きずらないよう、一度深呼吸をするなどして冷静になりましょう。

しかし、これが簡単にできないというのが人間ですよね。

実は、完璧主義の人はセルフコントロールが苦手であるという傾向があります。
完璧主義すぎると、自尊心が低くなるばかりかストレスを抱えやすくなってしまいます。

仕事においてミスはつきもの。

人と比べて落ち込むよりも「完璧な人間などいない」と、ミスを認め次に生かせるようにしましょう。

そして、ダメだったことを探すのではなく、今後どうしたら良いのかを探すのが大切です。

具体的にどのように感情をコントロールして次に繋がていけば良いのか、心理学のひとつである「リフレーミング」という手法をご紹介します。

リフレーミングで物事の認知を変える

リフレーミングとは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みで見ることを指します。(Wikipedia)

マーケティングで紹介した心理学のひとつ、「フレーミング」を「リ(Re)」再び行うことです。

  • 5人に1人が落選します。
  • 当選率は80%です。

同じ条件であるのにも関わらず、与える印象が全く違います。

同じことでも、言い方や考え方を変えるだけで、新たな解釈が生まれるということです。
私たちは普段、自分の設置したフレームの中で物事を解釈し、その意味を見出しています。

それを取っ払い、新しいフレームでその出来事を見ることができれば、新しい選択肢が見えてきて、自分をコントロールできるようになるということなのです。

  • ミスをしたこの案件から学べるものは?
  • この事実は、今後の仕事でどう活かせるか?
  • 抱えすぎている可能性は?手放すべきものがあるのではないか?

こういった質問を自分に問いかけてみてください。
ミスをしたという事実や、モチベーションが上がらないという現実を、別のフレームで見ることで、新たな意味や選択肢が見えるかもしれませんよ。

まとめ

ビジネスに活用できる心理学についてお話してきました。
心理学は私たちの身近に存在しています。

また、膨大な数が存在しているため、全てを理解し実践するのは難しいかもしれません。

紹介した心理学をビジネスで上手に活用できれば、仕事で成果が出て、毎日が楽しくなるかもしれませんよ。ぜひ、ひとつずつ試してみてください。