地方競馬では中央競馬と違い、全国の競馬場でほぼ毎日開催されています。
中央競馬にはない券種で馬券を楽しむことができるのは地方競馬の魅力です。
地方競馬にしかない馬券の買い方では、枠単とロト(オッズパークや南関東競馬)が主にあります。
その中でも的中率があって配当も期待できるのが、1レース単位で購入できる枠単です。
そこで地方競馬でおすすめな買い方といえる枠単をここで解説していきましょう。
枠単とは
中央競馬から馬券をスタートした競馬ファンは多いといえますが、オグリキャップ以前のオールドファンと違い、1991年に導入された馬連の影響もあって、枠連には馴染みがない競馬ファンも少なくありません。
これは枠連だと全通りでも28点しかなく、オッズが低い場合が多いので馬連や3連単と比較しても配当が少ないことから、馬券としては敬遠されるケースが目立つからです。
枠単は文字通り、枠番連勝単式のことで、1着と2着を着順通り投票することです。
馬単の枠番バージョンといった感じでしょう。
2020年3月現在において、枠単は南関東競馬場と金沢競馬場のみで販売しています。
枠単は8頭立ての場合は馬単が優先されるために販売されませんが、9頭以上になると成立します。
地方競馬も中央競馬と同じように、9頭以上の出走馬が揃う場合には8枠、7枠、6枠…と外枠から順次1頭ずつ枠が指定されていきます。
枠単と馬単の違うところは、ゾロ目の馬券が買えることです。
ここでオッと思うかたもいるかもしれませんが、枠単は9頭立てであっても、8枠のゾロ目馬券が購入できます。
8枠の2頭を購入したい場合、枠連のゾロ目や馬連、馬単だけでなく、枠単までもが購入することができます。
枠単がおすすめなのは同枠でオッズの恩恵があるから
枠単の魅力を紹介すると、ゾロ目のオッズで恩恵が受けやすい点です。ゾロ目馬券を購入する場合、どうしても馬連、馬単を優先し、枠連以上に普段購入しない枠単を敬遠するケースがあるからです。
たとえば12頭立てで6枠の2頭の馬券を購入する場合があるとします。
6枠は馬番で7番と8番になり、馬連は7-8の1通り、馬単は7-8、8-7の2通り、枠連は6-6の1通り、枠単では6-6の1通りとなります。
枠単は馬連や枠連と同じ的中になるのですが、単式で購入することができます。
とはいえ、通常では馬連と馬単で同じオッズになることがありませんので、ゾロ目馬券といえど、オッズ的には枠単よりも馬単のほうが配当は高くなります。
しかし、同枠の2頭の馬券を購入したい場合には、馬単だと裏表を購入する必要があり、買い目が増えることになります。
1,000円で1点を購入したいと考えた場合、馬単は7-8、8-7の2通りで1点1,000円の合計2,000円が必要なのに対し、枠単は6-6で2,000円1点張りが可能です。
オッズによっては枠単のほうが高配当を狙えるケースがあります。
配当面で本当に儲かるのか実際の例で見ていきましょう。
実際の枠単で配当が高いケース
地方競馬で人気のある南関東競馬場で、2020年3月第1週の川崎競馬場を例にしてみます。
2020年3月5日(木)
川崎競馬 7R
1着7枠9番 ホワイトベリー 1番人気
2着7枠10番 バーミーズ 5番人気
配当
枠連 7-7 2,330円
馬連 9-10 1,960円
枠単 7→7 2,360円
馬単 9→10 2,810円
これでみると、枠連もそこそこ配当はいいのが分かりますが、枠単は30円プラスとなっており、馬連よりも400円高い配当になっています。
また、馬単は2,810円ですが、7枠の2頭の裏表を購入することを考えれば、枠単のほうが回収率で高くなります。
馬単は人気の高い方に資金を上乗せするのが一般的な買い方といえます。
仮にこの場合だと人気のある9→10に1,500円で、逆に人気が低い10→9に500円という買い方で馬券を購入するとどうなるでしょうか。
上記のレースを各式別軍資金2,000円で購入する場合をみていきます。
式別 | 買い目 | 購入資金 | オッズ | 配当 |
枠連 | 7-7 | 2,000円 | 23.3 | 46,600円 |
馬連 | 9-10 | 2,000円 | 19.6 | 39,200円 |
枠単 | 7→7 | 2,000円 | 23.6 | 47,200円 |
馬単 | 9→10 | 1,500円 | 28.1 | 42,150円 |
馬単 | 10→9 | 500円 | 57.1 | 0 |
もしも、1着と2着が入れ替わっても、馬単は10→9で28,550円となり、枠単のほうが配当は高くなっています。
この結果をみても枠単がおすすめなのがおわかりといえます。
枠単がオッズ的に低くなるレアなケースも存在するので注意が必要
しかし、枠単もいつもオッズが高いわけではありません。
枠単に人気が集中し過ぎる場合には、オッズが枠連や馬連よりも低くなるケースがあります。
同日に行われたメーンレースのG2エンプレス杯を例にみていきます。
2020年3月5日(木)
川崎競馬 11R
1着5枠7番 アンデスクイーン 1番人気
2着5枠6番 ナムラメルシー 8番人気
配当
枠連 5-5 10,090円
馬連 6-7 12,820円
枠単 5→5 8,330円
馬単 7→6 16,840円
このケースでは枠単が一番売れてしまっているのでオッズ的に妙味がありません。
むしろ馬連が一番おいしい馬券となっています。このレースは交流重賞ということもあって、注目度が高く、枠単に目をつけた競馬ファンによってオッズが下がってしまった可能性があります。
配当面で儲けを出すために、馬券の買い方としてはオッズの動向に注意しなければなりません。
まとめ
地方競馬の枠単でオッズの恩恵を受ける場合、出頭数が少ないと外枠から馬券を購入する買い方が必要です。
地方競馬場では小回りのダート戦なので、内枠有利という傾向が強くなります。
その分、外枠のゾロ目はオッズ的にも配当面で恩恵を受けやすいので、勝負レースと見た場合には枠単での買い方がおすすめです。